協力協定:北大と東工大など、省エネスパコン開発 冷却電力ゼロを目指す『毎日新聞』北海道版2010年6月17日付

『毎日新聞』北海道版2010年6月17日付

協力協定:北大と東工大など、省エネスパコン開発 冷却電力ゼロを目指す

北海道大と東京工業大、国立情報学研究所は16日、省エネ型のスーパーコンピューター(スパコン)開発の実証研究に向けた協力協定を締結すると発表した。スパコンは演算能力の速さを競い合う国際競争に突入しており、昨年11月の行政刷新会議の事業仕分けで、仕分け人だった蓮舫行政刷新担当相に「(日本は)世界一じゃなきゃ駄目なのか」と指摘を受けたことが有名になった。この研究では、速さより、環境へのやさしさを重視した開発を目指すという。

スパコンは動かすのに大量の電力を必要とする。特に負荷が高いのは機械本体から出る熱の冷却で、機械本体だけの電力消費量と比べ、全体の消費量は1・7~2・0倍に増えるという。

このため北大などは、来年度から5年計画で、スパコン本体から出る熱の冷却電力を限りなくゼロに近づけ、エネルギー効率を高める技術開発に取り組む。具体的には▽北大が地下水や大気を利用したリモート冷却技術▽東工大が自動保守点検技術▽情報学研が大規模データ転送--の研究分野を担当していくという。

協定の発表会見は、札幌と東京をテレビ会議システムで結んで行われ、北大工学研究院の長野克則教授は「冷たい地下水など寒冷地で磨いた環境関連技術を生かし、将来的に(スパコンを置く)データセンターの誘致につながる研究にしたい」と語った。【千々部一好】

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