大学に「専門の基礎」望む職業人…58.0%『読売新聞』2010年6月16日付

『読売新聞』2010年6月16日付

大学に「専門の基礎」望む職業人…58.0%

大学教育で教えるべきことについて、学生は「専門分野を深く」と考えているのに対し、大学を卒業して既に働いている「職業人」は、「専門の基礎を」としていることが、東京大学の大学経営・政策研究センターの調査でわかった。

学生の調査は2007年、職業人の調査は09年に実施され、127大学の約4万8000人と職業人約2万5000人が回答。大学で「専門を深く教える」ことに、学生は44.7%が「きわめて重要」と考えていたのに対し、20~30歳代の職業人では37.7%にとどまった。一方、「専門の基礎を教える」は学生47.6%に対し、職業人は58.0%に達した。

学生は専門的で創造的な仕事を望む傾向があるが、現実にはパターン化された仕事や、大学で学んだ専門知識が生きない仕事が多いことが、両者の意識差を生んでいると見られる。

分析にあたった両角(もろずみ)亜希子・東大講師は「基礎を身につけていれば、仕事の様々な場面で応用でき、それが自信につながるのではないか」と話している。(石塚公康)

Proudly powered by WordPress   Premium Style Theme by www.gopiplus.com