公正な学長選考を求める裁判を支える会ニュースレター NO.18 2010、5,17

ニュースレター NO.18
2010、5,17

公正な学長選考を求める裁判を支える会
事務局:高知県高知市曙町2-5-1 高知大学教職員組合内
(TEL/FAX 088-844-1489)

5.21 高知地裁へ!

前号(No17)でお知らせしたように、いよいよ来る5月21日(金)に、高知地裁において、審理(証人調べ)が行われます。

予定は以下の通りです。

開始:5月21日(金) 11時~

午前:職員K氏及び元職員B氏(「これまでの経緯」参照)

午後:意向投票管理委員会委員長(当時)I氏。

根小田渡 前人文学部長(当時は学長選考会議委員。2007年10月17日まで同副委員長)

高橋正征 前黒潮圏海洋科学研究科研究科長(当時 学長候補)

2007年の学長選考から2年半余り。私たちの裁判もやっとここまでたどり着きました。しかし、感慨に浸っている余裕はありません。この二年間の学内ガバナンスは「最悪」のひと言につきるのではないでしょうか。現在の高知大学を覆っているこの最悪の状況の出発点が、2007年の学長選考を巡る、「疑惑」「闇」です。証人調べによって「疑惑」「闇」の中にあった事実関係が公開の場で初めて明らかになります。これが高知大学再生の岐路となるかを見極めるため、ひとりでも多くの教職員が当日高知地裁に結集して傍聴し、この歴史的瞬間に立ち会い、大学再生への展望を共有し合えるよう訴えたいと思います。

5月21日(金)の審理は、学長選考の瑕疵を明確にし、そのような瑕疵を含む学長選考結果を受理した文科省の責任を追及するものです。それゆえ、意向投票の開票過程やその後の票の取り扱い、さらに開票結果を学長選考専攻会議がどう評価したか等を解明することは、「疑惑」「闇」の正体を曝くだけではなく、この行政裁判の展開に極めて決定的な意味を持っています。

「学長選考」問題のこれまでの経緯

2008年以降に本学に来られた方々のために、「学長選考問題」の経過をおさらいしておきましょう。

2007年10月5日、私たちのこの高知大学で学長選考の学内意向投票が行われました。候補者は現職の相良祐輔氏(現学長)と黒潮圏海洋科学研究科長(当時)の高橋正征氏の二人です。開票はその日のうちに行われ、17時に終了しました。その後、意向投票管理委員会が開催され、開票結果を受けて「学内意向投票の結果確認書」が作成されました。そこで確認された票数は、高橋419、相良378(41票差)でした。

ところが同日18時ごろ、2名の職員(秘書課課長補佐と企画部部長-今回証人として出廷する二人です)が、秘書課金庫に入れられていた、開票作業後の投票用紙が入った箱を開け、「相良票20票の束が高橋票に混入しているのを」「発見」しました。その後、意向投票管理委員会が再召集され、「票を点検・再集計」した結果、上記「学内意向投票の結果確認書」とは別に「学内意向投票業務の経過説明書」なる文書が作成されました。そこには「再集計」によって得られた、高橋399、相良398(1票差)が記載されました。

この二つの文書(投票結果)は10月7 日に開催された「学長選考会議」に提出されました。学長選考会議は「意向投票の結果を参考にして」学長を決定することとされていますが、41票差と1票差の2通りの得票数のいずれかに確定することなく選考を行い、相良祐輔氏を学長候補と決定しました。

これに対して人文学部、教育学部、理学部、黒潮圏海洋科学研究科、及びセンター等連合教授会の5つの教授会が批判決議を行い、また学生たちも「公正な大学運営を求める学生の会」を結成して2085名の署名を集め、学長選考のやり直しと真相究明を求めました。

しかし、文部科学省は2008年2月28日 に、高知大から提出された「次期学長候補を相良氏に決定した」という「上申書」を受理し、同年4月1日に同氏は学長に任命されました。そして、それまで同氏が学長に在任していた4年半を、「選出されたときに学長選考規則がまだなかったから一期目としてカウントしない」という不思議な「理屈」で「初期化」し、現在1期4年間の任期の3年目にいたります。

裁判の経緯

これに対して私たちは、大学の自浄作用に期待するのは限界であり、もはや司法の場での解決を求める以外無いと判断し、裁判に踏み切りました。

まず、2007年12月26日 高橋正征氏を原告とし、国立大学法人高知大学を相手取って、学長選考の無効確認を求める民事訴訟を高知地裁に提訴し、併せて、開票作業に関わる不正行為に関して、「偽計業務妨害」で「被告発人不詳」の形で高知地検に刑事告発を行いました(結果的にこちらは不起訴)。

民事裁判では合計三回の口頭弁論が行われましたが、学長任命によって、審理に入ることは困難であるという裁判所側の見解を受け、訴えを取り下げました(2008年6月23日)。

民事の取り下げの翌日(6月24日)、国による学長任命処分の取り消し(後に無効確認に変更)の 行政訴訟を提訴しました。

第1回の口頭弁論は当初2008年9月19日に予定されていたのですが、被告の(国側)が高松地裁での審理を求める「移送の申し立て」を行ったため遅れに遅れました。しかし国側の主張は地裁、高裁いずれにおいても認められず、第一回口頭弁論 は2009年4月13日に我々の主張通り高知地裁において開催されました。

その後、ほぼ一年にわたって、関係者のみが出席できる「弁論準備手続き」がおこなわれ、やっとここにいたって、公開の法廷での証人を呼んでの疑惑の核心部分を問う審理が行われることになったという訳です。

こうして裁判は、最初のそして最大の山場を迎えることになりました。高知大の未来のため、この裁判への更なるご支援をお願いします。

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