香川大が学生融資制度…強盗の元学生も生活費困窮『読売新聞』2010年5月13日付

『読売新聞』2010年5月13日付

香川大が学生融資制度…強盗の元学生も生活費困窮

今年度中の運用開始目指す

長引く景気低迷で経済的に窮乏している学生が増加しているのを受け、香川大は12日、無利子で生活費などを融資する制度を新設すると発表した。今年3月に牛丼チェーン店で強盗事件を起こした元学生(退学処分)も警察などの調べに対し、生活費の困窮を動機の一つに供述しており、同大学は「お金の心配をせずに、学生生活を送れる環境を整えたい」と説明。今年度中の運用開始を目指す。

発表によると、2008年12月に創設し、教職員や卒業生、企業などからの寄付金を積み立てている「香川大学支援基金」を財源に充てる。新年度のスタートにこだわらず、いつでも申請を受け付けるとし、今後、融資条件や上限額など詳細を決める。

同大学には、条件を満たせば学費を免除する制度や奨学金制度があるが、不況の影響で学費支援だけでは生活できない学生が急増。元学生の初公判でも検察側は冒頭陳述で、元学生は生活費を稼ぐため、複数のアルバイトを掛け持ちし、勉強やサークルの時間が十分に取れず、「10万円くらいまとまった金があれば、悩みを解消できると考えた」とした。

記者会見した一井真比古学長は「まだまだ不況が続き、生活に苦しむ学生は増えていく可能性がある。新融資制度は、奨学金や学費免除とも併用できることも考えたい」と述べた。

同大学はこの日、強盗事件を受けた再発防止策の骨子を公表。保護者との個別相談会を通して学生の生活状況を把握し、学生向けのガイダンスで法令順守を徹底するなどとした。

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