留萌市立病院 羽幌の患者遠隔診察 旭医大も協力 専用回線で3者結ぶ 『北海道新聞』2010年4月29日付

『北海道新聞』2010年4月29日付

留萌市立病院 羽幌の患者遠隔診察 旭医大も協力 専用回線で3者結ぶ

【留萌、羽幌】医療過疎地の病院を専用回線でつなぐ「遠隔医療システム」を使った診察が28日、留萌市と50キロ離れた留萌管内羽幌町の病院を結んで行われた。遠隔医療に先進的に取り組む旭川医大がサポートし、順調に進んだ。

患者は心筋梗塞(こうそく)が回復し、月に1度道立羽幌病院で診察を受ける町内の自営業西田博美さん(61)。回線を通じ、3月まで主治医だった留萌市立病院循環器科の高橋文彦医師が診察した。

画面にはエックス線画像や心電図までくっきり映り、患者との会話もスムーズに進んだ。高橋医師は「対面するのと変わらず診察できた」と語り、西田さんは「画面越しで慣れないけど、主治医だった先生の顔を見られるのは安心感がある」と話した。

システム構築を進めてきた旭医大遠隔医療センターの守屋潔・特任教授が高橋医師の隣で見守った。守屋教授は「専門医が少ない羽幌を地域の拠点病院の留萌が支え、専門分野では旭川の協力も仰ぐことができる。互いに連携し合えるシステムができた点で意義深い」と手応えを語った。

両病院と旭医大の3者間では今後、救急部門でもこのシステムを活用していく。治療に一刻を争う脳卒中患者に対しても迅速な対応が可能になる。同大は「システムが順調に稼働すれば、遠方に出向いている患者の6割が地元病院で診察を続けられる」と見込む。

道は3月末に約7千万円かけて旭医大を拠点に道内12医療機関をつなぐシステムを整備。うち離島も抱え、医師不足が深刻な羽幌病院を診察地に選んだ。

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