「低評価続く和歌山大学」 『紀伊民報』2010年4月27日付

『紀伊民報』2010年4月27日付

「低評価続く和歌山大学」

先日、内閣府が公表した国立大学法人の運営に関する「民間開放度」調査のランキングで、和歌山大は全国86大学中、最下位だった。

▼経営改善度を図る指標の一つとして「施設管理業務」に注目して一般競争入札の導入率を点検した結果、和歌山大は33・5%。一橋大や鳥取大などは100%、全大学の平均が87・8%、ビリから2番目の北見工業大でさえ53・1%だったから、導入率の低さは際立っている。

▼驚いたのは、こうした事態に財務・施設担当理事がなんの危機感も持っていないこと。朝日新聞の記事を読むと「業者数が限られる地方では、仮に入札しても応札は1社ということも少なくなく、逆にコストがかかることもある」と居直っているのである。これでは、契約の効率化は進まない。税金の無駄遣いにも歯止めがかからない。

▼和歌山大といえば、文部科学省による「研究・教育ランキング」でも、ビリから2番目だった。個々の調査については、その手法などに疑問があるかもしれないが、ここまで悪い評価が続くと、これまでの大学運営に根本的に改善すべき点があったというしかない。

▼どこが悪かったのか、なぜ改善が進まないのか、根本から原因を究明する必要がある。もし、改革を阻害している「しがらみ」があるというなら、そこにメスを入れなければならない。

▼ことは税金の使途である。「大学の自治」を言い訳にした退廃を見過ごすわけにはいかない。 (石)

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