豊かな社会に向けた3つの成長戦略~成長の果実を将来世代と分かち合うために~ 2010年04月13日 経済同友会2009年度内需拡大・経済成長戦略委員会 委員長 稲野 和利 (野村アセットマネジメント 取締役会長 代表執行役)

 

 

http://www.doyukai.or.jp/policyproposals/articles/2010/100413b.html

豊かな社会に向けた3つの成長戦略~成長の果実を将来世代と分かち合うために~

2010年04月13日
2009年度内需拡大・経済成長戦略委員会
委員長 稲野 和利
(野村アセットマネジメント 取締役会長 代表執行役)

概要

本文

はじめに
目指すべき日本経済のすがた
取り組むべき構造問題と解決の糸口
3つの成長戦略
【第1の戦略:高付加価値戦略の再評価】
【第2の戦略:アジアの域内需要による自律的な成長の実現】
【第3の戦略:先進的な高齢化社会対応モデルの構築】
おわりに

 


新首都圏ネット事務局による抜粋

 

(略)

【第1の戦略:高付加価値戦略の再評価】

(略)

1.所得向上につながる技術開発戦略

(略)

(5)エンジニアの育成

わが国のものづくりを支えてきたのは厚みのあるエンジニア層である。しかしながら近年、工学関連学部への入学者数は右肩下がりで推移している(図4)。また、本会が実施している景気定点観測アンケート調査でも「技術者・専門技能者」の不足を挙げる回答が恒常的に高い。企業は、進路選択を控えた中等教育課程の生徒に対しエンジニアとしてのキャリアパスを提示するほか、エンジニアの所得水準を相対的に高めること等により、社会的評価を高める取り組みを行っていく。政府には、初等・中等教育における理科教育のさらなる強化を求めたい。

また、戦略的なR&D 投資を行うため、競争力の高いエンジニアに加え、事業環境に応じて自社の知的財産戦略を構築できる、知財の知識と経営感覚の双方に優れた人材の育成にも取り組んでいく。

(略)

3.多様性の追求 ― “開かれた日本”の実現

(略)

(1)多様な人材への活躍の場の提供 ― ダイバーシティの確保

① 海外人材の受け入れ拡大

世界レベルでの人材獲得競争がし烈さを増しており、わが国においても、日本社会・文化の良き理解者になり得る外国人留学生を着実に増加させる必要がある。世界の優れた人材が学び働きたいと思う環境を整えるため、企業は留学生の採用を拡大するとともに、海外人材の経営層への登用を進める。これらの人材がわが国企業でその能力を十分発揮するためには、ビジネスの場における日本語の壁をなくしていく必要があり、皆が活きた英語の習得に努めるとともに、多様な文化への対応力を向上させなければならない。また、世界の優れた人材を惹きつけるには報酬体系の見直しも不可欠であり、競争力に応じた柔軟な報酬体系に社会全体が適応することも必要である。

政府には、子女の教育機会の拡充を含む海外人材の生活インフラの整備のほか、大学・大学院の国際競争力強化や英語のみで学位・資格取得が可能なコースの拡充、多様性への対応力の高い人材を輩出する初等・中等教育の実現に向けた制度の見直しが求められる。さらに、安全・安心、ホスピタリティといったわが国の社会・文化を魅力と感じる諸外国の人々に、資格に応じ永住権等を付与7することも、高度人材が日本で活躍するインセンティブとなる。中長期的な産業構造の変化を見据え、社会全体でわが国の魅力を高めるべく取り組むとともに、多様なバックグランドを持つ人々との共生のあり方について改めて考える必要がある。

(略)

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