救急医療担う拠点、弘大病院救急センターが完成 『陸奥新報』2010年4月10日付

『陸奥新報』2010年4月10日付

救急医療担う拠点、弘大病院救急センターが完成

弘前大学医学部附属病院の高度救命救急センターが、9日までに完成した。同病院外来診療棟の屋上にはヘリポートも整備。同センターは津軽地域の3次救急を担い、広範囲熱傷、指肢(しし)切断、急性中毒のほか緊急被ばく医療に対応するのが特徴。同大は5月13日に記念式典を行う予定で、7月1日の開設を目指す。

同センターは旧外来診療棟跡と立体駐車場の間にあり地上2階、地下1階で総面積2410.72平方メートル。09年8月に着工し、今年3月下旬に竣工(しゅんこう)した。

人員は医師14人、看護師36人など55人を確保。複数の診療科に対応した重篤な救急患者を24時間体制で受け入れる。現在、同センターにはハイケアベッド、浮遊型ベッド、各放射線測定装置など、重篤な傷病者の診療に必要な器機の設置、調整を進めている。8日には弘大役員らを対象に施設見学を行った。

一方、同病院外来診療棟の屋上には3月26日ヘリポートが完成同31日に公開された県立中央病院ヘリポートに続き、救急医療の拠点3カ所にヘリポートがそろう形となる。

弘大病院のヘリポートは、県の補助金を受け設置。941.21平方メートルの広さで、同センターの開設に合わせ稼働する。

同病院は現在、近隣の桔梗野、朝陽など5地区を対象にヘリコプター騒音の理解や患者のトリアージ(患者の選別)について住民説明会を開いている。今後、訓練飛行などを経て7月の稼働に備える。

同日の学長定例記者会見で遠藤正彦学長は「概算要求が通るまで7年かかり、わが国初めての緊急被ばく医療を担った高度救命救急センターがいよいよ始動する」と期待を膨らませ、「第3次救急の立場から地元のために役に立ちたい。学生の研修、教育のため、地元の中核病院の中の大きな役割を担っていきたい」と意気込みを語った。

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