弘大病院・高度救命センター 24時間体制へ人員確保 『陸奥新報』2009年9月30日付

 

『陸奥新報』2009年9月30日付

弘大病院・高度救命センター 24時間体制へ人員確保

弘前大学医学部付属病院(花田勝美院長)は29日、来年7月に開業を目指す高度救命救急センターの進(しん)捗(ちょく)状況について公表した。花田院長は同センター開設の意義について、若手医師の定着、救急専門医養成、緊急被ばく医療の専門家育成、ヘリポート設置による緊急災害への対応などを挙げ、「3次救急を引き受けることで住民の安心・安全につながる」と、改めて救急医療の最後のとりでとなることを強調した。

懸念されていた24時間体制で運営できる人員については55人で行い、すべて院内から確保。医師は14人で、救急部4人のほか、消化器・乳腺・甲状腺外科、脳神経外科などから10人が専任でセンターに移る。36人の看護師も今年度新卒者募集を大幅に増やしたことで充足可能となった。

また医師確保により地域病院の医師の引き上げにつながるのではという懸念について、花田院長は「支障を来すことのないように指導している」とし、万一引き上げがあった場合について、浅利靖救急部長は各医療機関と協力してカバーする考えで、「次世代の救急医を教育し、将来地域に還元するという気持ちでやっていきたい」と述べた。

一方、同センターは償還金を含め年に約2~3億円の赤字を見込み、このうち運営費は2億円弱とみられる。運営費の一部は弘前、黒石、平川市、藤崎、板柳、大鰐町、西目屋、田舎館村、秋田県大館市の津軽医療圏から支援を受ける予定で、9市町村すべてが支援を承諾。負担金額は救急患者の受け入れ数などを基にして試算し、弘前市が大部分を占める予定。今後、課題となる地域の救急医療機関との役割分担、連携について各医療機関や行政側と話し合いを重ねていく。

 

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