公正な学長選考を求める裁判を支える会 ニュースレター NO.16 2009、9,15

ニュースレター NO.16
2009、9,15

公正な学長選考を求める裁判を支える会

事務局:高知県高知市曙町2-5-1 高知大学教職員組合内
(TEL/FAX 088-844-1489)

高知大学学長任命処分取消裁判で問われているのは何か!

行政訴訟は次回9月18日に弁論準備手続きが行われます(11時半高知地裁)。根小田、高橋両先生の「原告適格」が現時点での最大の争点ですが、「学長任命処分」そのものに関わる実質的攻防が文書でのやりとりという形ですでにはじまっています。

ここで、裁判の本格的な開始を前にして、本裁判でなにが争われているのか、そして形式上裁判で争われていることの背後でなにがとわれているのかを再確認しようと思います。

裁判で直接的に問われているのは、「国」による「学長任命処分」の不当性、違法性です。そして、その背景にあるのは2007年の高知大学の学長選考の意向投票に際して、41票差で現学長の対立候補(裁判の原告の高橋正征氏)が勝っていたものが後に1票差とされた不透明な処理があります。

しかし、2年前の高知大学学長選考問題は、この意向投票の実施管理の疑惑にとどまるものではありません。これは、学長の大学管理運営責任者としての責任及び大学ガバナンスの欠陥を示すものであり、その後の高知大学の内外での停滞、混乱につながっていることを私たちは忘れてはなりません。高知大学は「難破船になりかかっている」との指摘や「裸の王様と茶坊主でいつまでもつか」という厳しい声が聞かれます。私たちは、高知大学の威信と信頼の回復への一歩のためにも、再度この裁判の意味確認しおしすすめて行く必要があります。

学長選考に関して大学管理運営責任者としての学長の取るべき3つの責任

この学長選考は、学長選考会議の不祥事であると同時に、相良学長を最高責任者とする高知大学のガバナンスの重大な欠陥を示したものであるといえます。高知大学の最高責任者としての相良学長は、学長選考に関して、以下の3つの問われるべき責任があります。

1 投票管理に関しての職員への監督責任

意向投票の実施管理において学長が指名した担当事務職員が投票管理業務の終了後、管理委員会からの指示もなく、理由もなしに管理金庫を開け、票の「点検」をしたことは、事務職員の「非行」であるのに、それを厳正に管理、是正できなかったこと。

2 文部科学省への「虚偽申告」

学長選考会議の選考後において文部科学大臣に高知大学から学長候補者の申出をした際の経過説明書を、学内外に説明している(1票差)ことと異なる意向投票の票数結果(41票差)を記載したまま決済していること。すなわち、誤りとする内容を文書として作成し、申出の経過説明書としていること。

3 学長任期実質10年という不正

今回の学長選考の手続きは元来、法人化直後に学長選考規則の制定が求められていたにも関わらず、3年も放置し(させ?)、その3年の放置を藉口にして、相良学長のみに特定適用とする特例条項(それまでの4年半の任期を計算に入れない)を挿入したこと。これは自分自身の任期を4年半、4年プラス2年(つまり10年半)とするための任期規定かを疑わせるに十分な、専制君主なみの規定を設けたのです。これについて見識のある学長であれば、当然、自分にのみ合理性のない特例規則を止めさせるのが、学長管理者の見識であり、義務であるはずである。しかし、ご存知の通り相良氏はそうしませんでした。

以上の三点だけでも、相良氏は学長の適格性を欠くものといってよいのではないかと思われます。

裁判のなかで直接問われるのは国の任命行為の妥当性ですが、実質審議に入ればその中で、いくつかまだ明らかになっていない1、2に関する事実関係も明らかになるはずです。したがって、上記三点の責任追及も風化させずねばり強く継続していくことが、高知大学の「高知大学の威信と信頼」を取り戻すために重要であるといえるでしょう。

この問題についてのより詳しい論考(KURK生「高知大学学長任命処分取消裁判の問う、もう一つ重大なこと」)が以下のホームページに載っています、ご一読下さい。

http://homepage3.nifty.com/osanpo_pochi/doc/toukou_1.pdf

9月18日 11時30分~
弁論準備手続き
於 高知地裁

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