滋賀大創立６０周年 湖国の知を世界へ
彦根で記念式典
滋賀大（本部・彦根市）は12日、創立60周年記念式典を彦根市松原町の彦根ビューホテルで催した。県の政財界、県内外の大学長、同大の教員、学生ら約２３０人が参列。成瀬龍夫学長が60周年を機に「滋賀大学憲章－知の21世紀をきり拓（ひら）く－湖国から世界へ」を制定したと披露した。
憲章は、近江商人研究、環境教育などの伝統を踏まえ、理論研究と実践を融合して湖国の文化や環境を発展させ、専門性の高い職業人育成で社会に貢献することなどを掲げる。
講演会は、経済学部で12年間研究や教育をした佐伯啓思京都大大学院教授が「大転換期の学問」の題で、世界経済危機と日本の構造改革の問題点を指摘。「社会をどうするかトータルな判断をするのは市場ではなく、政治家とアドバイスする知識人。東京と距離のある滋賀大をその知的拠点に」などと語った。
同大学は旧制彦根高等商業学校（彦根市）と旧制滋賀師範学校（大津市）を母体に１９４９年発足、経済、教育の２学部。卒業生３万８８７人。