『日本経済新聞』2012年10月4日付
東大などで個人情報流出か ハッカー集団が声明
国際的なハッカー集団「ゴーストシェル」が、東京大や京都大など国内の5大学を含む世界の有力100大学のサーバーに侵入し、学生や教職員などの個人情報約12万件を抜き取ったとする声明をインターネット上で発表したことが4日、捜査関係者などへの取材で分かった。声明は個人情報をリスト化してネット上に公開するとしている。
警察当局は、こうした行為が不正アクセス禁止法違反などにあたる可能性があるとみて、実際に被害があったかどうかの確認など情報収集を進めている。
捜査関係者などによると、ゴーストシェルが声明をネット上に発表したのは1日。大学教育、教育制度への批判とともに、世界の主要100大学をターゲットにサイバー攻撃を仕掛けたことを宣言した。
攻撃対象には、米ハーバード大やスタンフォード大、英ケンブリッジ大など世界の名門大学のほか、東大、京大、東北大、名古屋大という日本の国立大の名前も含まれている。教職員や学生の氏名、メールアドレスなどが抜き取られた可能性がある。東大広報課は「現在、事実関係を確認中」としている。
ゴーストシェルは今年に入り、米国の政府機関やウォール街などの企業へのサイバー攻撃を繰り返しているハッカー集団。今年6月に日本の政府機関などに攻撃を仕掛けた「アノニマス」とも関係が近いとされる。