『日本経済新聞』2012年2月7日付
九大、秋入学検討会議の初会合 課題指摘の声も
九州大学は6日、現行の春入学から秋入学への移行の是非を議論する「秋入学検討会議」の初会合を開いた。出席者からは「学生の学習意欲を高める」といった肯定的な意見が出る一方、「国家試験や企業採用の時期と整合性を取る必要がある」などと課題を指摘する声も出た。
秋入学移行を巡っては東京大学の学内懇談会が1月、全面推進を求める中間報告を公表。留学生の受け入れ・派遣に有利な点や、春の高校卒業から大学入学までの半年間をボランティア活動などに充てられるなどとして、九大を含む全国の大学も相次ぎ検討を始めた。
九大は副学長や学部長ら20人で検討会議を組織。会議の冒頭、有川節夫総長は「(秋入学は)学生が主体的に学ぶいい機会になり、メリットの方が大きい」とあいさつした。
九大では今後、各学部の教授会などで教員が秋入学の是非を議論。3月1日に次回会合を開き、課題の洗い出しなどを進める。今後、既に参加を表明している東大、京大など計12大学で構成する協議組織での議論も踏まえ、最終的な結論を出す見通し。