【輝く未来へ】徳島の経済・社会に貢献する徳島大学~国の将来を担う若者を育て、質の高い教育研究活動を~『建通新聞』 2014年3月2日

『建通新聞』 2014年3月2日

【輝く未来へ】徳島の経済・社会に貢献する徳島大学~国の将来を担う若者を育て、質の高い教育研究活動を~

毎年、教育・研究活動の充実を目的とした施設整備を進める徳島大学。2013年度も常三島キャンパスと蔵本キャンパスを中心に多くの工事を行っている。国立大学法人として常に最先端施設を整備していくことは、国の将来を担う若者を育て、質の高い教育研究活動を続けるためにも不可欠なことだと言える。

研究設備を含めた施設整備に関連する予算は、文部科学省の施設整備補助金、共同研究費や寄付金を充てている。特に国立大学法人等施設整備事業費の対象は、近年、耐震化工事から現在では「高度化・多様化する教育研究活動に対応するとともにイノベーション創出の基盤となる最先端研究施設の整備」など、将来に向けた投資(施設整備)へと移行しつつある。教育研究活動施設と最先端研究施設の確保は、大学施設を整備する上での重要な要素となっている。

徳島大学において、2013年度は第2期中期目標(10~15年度)の4年目に当たる。この中で施設設備の整備・活用などに関する目標として、施設・設備の計画的な維持管理、有効かつ効率的な運用などを引き続き図るとともに、施設およびキャンパス環境を重点的に整備するなど施設マネジメントを推進することを掲げて、着実に事業を進めている。

13年度は、財団法人の寄付による藤井節郎記念医科学センターが完成したほか、立体駐車場や外来診療棟、フロンティア研究センター、地域連携プラザなどの新営工事の推進、工学部化学・生物・機械棟外壁改修や学生支援センターなどの改修工事などが鋭意進められている。産官学連携による積極的な研究活動を展開している同大学では、今後も教育研究活動や地域貢献などの推進に必要な施設の充実に向けて、年次計画的に整備を進めていく。

2013年度に整備中または発注した施設を紹介する。

外来診療棟新営その他

~医療環境の改善を推進~ <蔵本地区>

<藤井節郎記念医科学センター新営>

多様な研究や将来の研究の変化にも対応できるフレキシビリティの高いオープンラボと、先端的機器による解析サービスを行う共通スペースを備えた先端研究施設環境の提供を目指す。

蔵本キャンパス内に整備、完成した。

鉄骨鉄筋コンクリート造5階建て延べ6300平方㍍

と渡り廊下2カ所、関連設備工事。

<外来診療棟新営その他>

病院再開発計画の最終事業であり、医科および歯科診療部門の外来診療棟を新築・改修整備し、徳島大学第2期中期目標に掲げる「質の高い医療の提供と患者サービス向上のため、医療環境の改善を推進する」という目標達成を目指す。

鉄骨造5階建て一部鉄筋コンクリート造平屋1万8000平方㍍の外来診療棟改築と旧外来診療棟(改修面積4878平方㍍)の耐震補強・内外装・建具・屋根防水の全面改修、関連設備工事。

<立体駐車場新営その他>

長年の課題だった駐車場不足と、関係する諸問題(長期間にわたる運動場などへの仮設駐車場の設置、国道渋滞)の解消を図る。

規模は鉄骨造5階建て延べ1万4080平方㍍。

総合研究棟(医学系)新営(工事中)

<総合研究棟(医学系)新営>

医療教育開発センターの下、医療系学部、大学院教育部が連携した専門職間連携教育を中心とした高度医療人養成教育の実践の場、学生のより良い教育環境の場として整備。

規模は鉄筋コンクリート造4階建て1400平方㍍。

フロンティア研究センター新営

~世界トップの教育研究へ~ <常三島地区>

<フロンティア研究センター新営>

グリーンイノベーションやライフ・イノベーションに貢献するため、ソシオテクノサイエンス研究部におけるフォトニック材料工学、ナノテクノロジー、バイオエンジニアリング、医療情報処理、温暖化防止、省資源・資源循環工学などを融合して光ナノテクノロジー、医工連携と資源循環の分野で世界のトップに立つ教育研究を推進する施設を整備する。

規模は鉄筋コンクリート造5階建て延べ2970平方㍍。

<学生支援センター改修>

耐震性が低く、経年劣化による老朽化が著しい福利厚生施設を改修し、学生支援施設の充実を図る。

規模は鉄筋コンクリート像2階建て延べ1170平方㍍。

<化学・生物・機械棟外壁改修>

経年劣化により剥落の恐れがある外壁タイルを張り替える。

対象棟の規模は鉄筋コンクリート造8階建て延べ1万7695平方㍍。

<地域連携プラザ新営その他>

美術棟の耐震改修を行い安全を確保する。

また、機能改善改修により、大学地域創生センターの中核施設となる多目的な交流プラザやプロジェクト研究室などを整備する。

規模は鉄骨造2階建て延べ740平方㍍。

■現場ルポ■ 「徳島大学(病院)外来診療棟新営その他工事」

~周辺環境に配慮・15年度完成目指す~

「徳島大学(病院)外来診療棟新営その他工事」は、徳島大学病院の外来診療棟(鉄骨造5階建て一部鉄筋コンクリート造平屋約1万8000平方㍍)を新築、旧外来診療棟(鉄筋コンクリート造2~8階建て延べ2万9121平方㍍)のうち4878平方㍍を改修(耐震補強、内外装・建具・屋根防水、昇降機設備設置)するもの。使用する資機材は当初計画によると、既成コンクリート杭、生コン9500立方㍍、鉄筋950㌧、鉄骨2600㌧、ガラス2100平方㍍と改修分600平方㍍、鉄骨ブレース増設、鉄筋コンクリート増設壁40カ所。建設費が建築と設備で60億円を超える大型事業だ。

建設現場は、病院施設と構内道路に囲まれている。進入路(入口)は建物の正面部分(施工エリアの北東)のみとなり、限られたスペースの中で現場事務所は入口横の既設駐輪場敷地に建物を建設して、駐輪場の上、2~3階部分に確保している。

着工は2013年1月11日。仮囲い、掘削などを経て順調に工事は進んでいる。10月には1階床の基礎梁コンクリート、12月から鉄骨建方を開始した。施工エリアのうち西側と南側は大学の建物(医療施設)に面しており、3カ所に騒音・振動計を設置して常時監視しながら作業を進めている。平日の午前中など診療時間は極力、ハツリなど音の出る工事を控えて、診療の無い土曜日の午後に作業を集中させている。施工エリアの東側は構内道路で歩行者や車が通行することから、工事車両が通過する場合は音声で呼びかけるなど、周辺環境に配慮する。

現在は、鉄骨建方を進めている。エリアを4ブロックに分けて、120㌧クレーンにより入口より奥から順に作業している。2月末には西側の鉄骨建方をほぼ完了、3月にかけて引き続き南側~北側へと作業を進め鉄骨部分の工事を終える予定。「今後も、騒音などの環境面や安全に配慮して工事を進めていく」(明石善隆現場代理人)。蔵本キャンパスの正門を入って正面に位置する外来診療棟の新築現場は、2015年度の完成を目指して作業を続ける。

 

 

 

 

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