施設の整備、活用で富山大に最高評価 国立大で全国唯一 『富山新聞』 2014年1月20日付

『富山新聞』 2014年1月20日付

施設の整備、活用で富山大に最高評価 国立大で全国唯一

富大は文部科学省の国立大法人評価委員会から、全国の国立大法人で唯一、施設の整備・活用を含む部門で最高の評価を獲得した。富大は全国に先駆け、教員が学内の施設を使用する際に課金するスペースチャージ(施設利用課金)制を導入し、安定財源の確保と施設の有効活用を図っていることが評価された。こうしたシステム改革は点数化され、施設整備の補助金が受けやすくなり、キャンパスの耐震化など教育研究環境の充実を加速させている。

全国の国立大は文科省の国立大学改革プランに基づき、法人化の長所を生かした改革を進めている。2010~15年度は第2期中期目標期間に当たり、富大は12年度に▽施設設備の整備・活用▽安全管理▽法令順守―を含む「その他業務運営に関する重要目標」の達成度を図る項目で、5段階中「特筆すべき進捗(しんちょく)状況」とする最高レベルの評価を得た。最高評価は90法人中、富大だけだった。

高評価の要因は富大が12年6月、全教育研究施設約19万8千平方メートルを対象とし、一律に1平方メートル当たり年間千円を徴収するスペースチャージ制を導入したことが挙げられる。使用料は学部ごとに集約され、8学部で年間2億円に上る。老朽化した施設の修繕費として再配分が可能となり、安定財源が確保できた。

さらに今後、各学部の講義室などで稼働率の低い空間を洗い出して新たな研究スペースが必要な教員に割り振ることも検討し、施設の有効活用を目指す。

同様の制度を導入しているのは13年11月末現在、富大のほかに京大と大阪大のみで、平石憲良富大総務部企画評価グループ長は「新年度以降も高い評価を維持していけるよう改革を進めていきたい」としている。

スペースチャージ制導入によるシステム改革は、施設整備費の概算要求の際に文科省が実施する事業評価の点数に反映されている。富大は全てにプラス1点の評価が加わり、13年度は13点満点で10点以上の最高ランク「S」は11事業、5点以上の「A」は3事業を数えた。採択事業数では京大、東北大に次ぐ3番目に多い17事業約200億円に上り、地域への経済波及効果も大きい。

富山市の五福キャンパスでは大学食堂や総合情報基盤センターなどの改修工事が進み、杉谷キャンパスでも旧医学部校舎の総合研究棟、高岡キャンパスでは講義・管理棟などの改修が行われている。小松幸雄富大施設企画部長は「建物の改修で耐震化が進み、学生が安心安全に教育研究に打ち込める環境整備に結び付いている」と話している。

 

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