『東京新聞』 2014年1月9日付
【お金の話】
大学進学資金の準備 入学前にかかる費用も注意 光田洋子(マネージャーナリスト)
年が明け、私立大では入学試験の出願書類の受け付けが始まりました。受験生を抱えるご家庭は受験校の絞り込みがほぼ終わり、受験料の振り込みや出願書類の用意で忙しくなる時期です。無事に合格すれば、入学手続きへと進むため、親は受験する大学の初年度納付金などを調べ、準備しておくことが大切です。しかし、その前にかかる費用にも注意してください。
昨年二~三月に、国の教育ローンを利用した世帯に聞いた「教育費負担の実態調査」(日本政策金融公庫)から、納付金以外にかかった入学費用を紹介します。私立大の場合、文系・理系ともに受験費用(受験料、交通費、宿泊費を含む)は平均二十二万~二十三万円。入学しなかった大学への納付金が平均四万円前後で、合わせて二十七万円前後。
国公立大の場合、受験費用は平均二十一万円。入学しなかった大学への納付金が平均十二万円で、合計は約三十三万円と、私立大の入学者より出費は多めです。国公立大は遠方受験になるケースが多い上、先に手続きが締め切られる私立大の入学金も必要になるため、入学前にかかる費用は、思った以上に多くなることもあります。
私立大志望者も受験方法の多様化で、受験料は高くなる傾向があります。同じ大学で複数学部に出願する場合やインターネット出願では、受験料が若干安くなることもありますが、受験時期が近づくと不安になり、当初の予定より多めに出願し、費用がかさむことも。入学前にかかる費用の増加は合格後の納付金の支払いにも影響するため、一定の予算で抑えたいものです。
最近は入学後に奨学金を申請する学生が増えていますが、入学前に決定する大学独自の奨学金もあります。学費の一部を給付、または無利子で貸与するタイプで、出願時に申請が必要なこともあります。これらも入試要項などで確認してみましょう。