『京都新聞』 2013年12月21日付
京大、総長選考の教職員投票廃止検討 「学風に反する」声も
京都大の総長を決めるのに最も重要な判断材料となる教職員による投票の廃止を、学内外の委員でつくる「総長選考会議」が検討していることが20日分かった。学内からは「『自由の学風』に反する」と反対する声が上がっている。
国立大は2004年の法人化以降、学内の教員や学外の有識者の委員でつくる選考会議が学長(総長)を選んでいる。京大などほとんどの大学は法人化前のやり方を踏襲し、教職員による投票結果を参考に選出しているが、東北大など一部は投票を廃止している。
大学関係者によると、11月に開かれた京大の総長選考会議で教職員による投票の廃止が提案された。学外委員の賛同を集めており、早ければ年内に開かれる会議で廃止が決定される可能性があるという。京大の松本紘総長の任期は来年9月末で、それまでに次期総長が決まる。
京都大職員組合はこの動きに反発し、24日に学内で反対集会を開く。執行委員長を務める西牟田祐二・経済学研究科教授は「教職員による投票がなければ、京大に民主主義は存在し得ない」と話す。
教職員による投票をめぐっては、「大学運営に能力のある人が選ばれる保証がない」などとして廃止すべきとの意見がある一方、大学自治の観点から残すべきとの声も根強い。大阪市立大は、橋下徹大阪市長の意向を受けて廃止を決めた。