宇宙関連 3者連携 『読売新聞』秋田版 2013年12月6日付

『読売新聞』秋田版 2013年12月6日付

宇宙関連 3者連携

観測ロケットの開発に取り組んでいる秋田大と県、能代市は5日、地域の活性化や県内産業の振興につなげようと、宇宙関連分野での連携協力に関する覚書を締結した。県と市はそれぞれ、地域産業活性化を目指した協定を秋田大と結んでいるが、宇宙関連に特化しての締結は初めて。人材育成や科学技術の振興、普及啓発のほか、社団法人を設立して企業会員を募り、産学官連携なども目指す。

秋田大は、かねて宇宙関連の研究を行っており、10月、学内に「秋田宇宙開発研究所」を設置。さらに、来年4月の学部再編で工学資源学部を理工学部に改組し、新たに「創造生産工学コース」を設置する。これにより、従来、個々に取り組んでいた学生や教員が体系的に学べる体制が整い、研究が進むと期待されている。

能代市は、市内に宇宙航空研究開発機構(JAXA)の実験場があり、加えて海岸がロケットの打ち上げに適していることから、「宇宙のまちづくり」を進めている。毎年、宇宙関連のイベントを開催し、小学校の授業で小型ロケットの打ち上げを教えるなど、宇宙に親しみやすい環境作りに取り組んでいる。県も、県産業技術センターが秋田大とロケットを共同研究・開発しているほか、資金を提供している。

今回の覚書締結は、秋田大が提案。県と大学は2006年に、能代市と大学は08年に、それぞれ包括協定を結んでいるが、さらに宇宙関連分野でも連携を強化し、地域発展を目指そうと、3者での締結となった。今後、年度内を目標に社団法人「あきた宇宙コンソーシアム(仮称)」を設立し、企業などの参入を促すという。

秋田大講師で、秋田宇宙開発研究所の和田豊所長は「大学で宇宙産業について学んだ学生が、卒業後に地元で就職し、さらに地域を発展させられればいい。そのためにも、様々な県内企業にも関わってほしい」と呼びかけている。

 

 

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