『産経新聞』2013年11月26日付
文科省が国立大改革プラン 世界ランクアップへ教員年俸制導入も
文部科学省は26日、国立大学法人の改革プランを発表し、各大学の強みや特色を生かすよう、運営費交付金を傾斜配分して自主改革を促す方針を明ら かにした。大学教員の給与システムの改革にも踏み込み、年俸制の導入を促進する。一連の改革により、今後10年間で世界の大学ランキングトップ100に、 日本の大学から10校以上ランク入りすることを目指している。
文科省では、国立大学が法人化された平成16年度以降、6年ごとに中期目標を定めて改革を進めてきた。今回発表された改革プランは、平成28年度からスタートする第3期中期目標のことで、「各大学の機能強化」を打ち出した。
具体的には、(1)各大学の強みや特色を年内にまとめて公表し、その強みを伸ばすような取り組みに交付金を傾斜配分する(2)国立大学時代と変わらない大 学教員の給与システムを見直し、能力や成果を反映した年俸制の導入を促進する(3)教授会の影響力が強い大学運営のあり方を改め、学長がよりリーダーシッ プを発揮できるようにする-などの目標を掲げている。
下村博文文科相は26日の閣議後会見で「旧態依然の大学運営では厳しい国際社会で生き残るのは難しい。改革を進めることは必然的な時代の流れで、文科省が支援をするのは未来への投資として必要」と話した。
文科省によると、国立大学の法人化以降、産学連携の共同研究が倍増するなど一定の成果がみられるものの、国際評価はまだまだ低いのが現状だ。イギリスの教 育専門誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」が今年10月に発表した世界大学ランキングでトップ100入りした日本の大学は、東京大(23位)と京 都大(52位)の2校だけだった。文科省では「各大学の自主的な改革により、国際評価を一層高めたい」としている。