国公立大入試:「知識偏重」より可能性発掘 『毎日新聞』 2013年10月11日付

『毎日新聞』 2013年10月11日付

国公立大入試:「知識偏重」より可能性発掘

政府の教育再生実行会議(座長、鎌田薫・早稲田大総長)が、国公立大入試の2次試験や私立大入試で教科型ペーパー試験の廃止を検討することが分かった。この背景には「大学任せの入試改革には限界がある」という危機意識がある。

企業が求める即戦力や意欲ある若者の育成は、大学の教育機能の向上が不可欠だ。入り口の入試も極めて重要になる。「1点刻み」の学力テストが2次試験から廃されれば、受験生の負担はある意味軽くなる。だが、面接や論文、課外活動の評価は新たな競争も生み出しかねず、大学がそこで受験生の可能性をしっかり見いだすことも容易ではない。トップレベルやマンモス大学からの反発も予想される。それでも、成熟期を迎えた日本が国際社会で生き残るためには「知識偏重主義」からの脱却が避けられないことを同会議は示そうとしている。

大学の狙いが明確ならば、従来通りの試験も可能だが「なぜペーパー試験なのか」の説明が必要だ。「公平性」だけに寄りかかるわけにはいかない。大学としてどのような学生を入学させ、どう育て、社会に送り出すのか。同会議は大学に考えさせようとしている。【福田隆】

 

 

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