『毎日新聞』宮城版 2013年8月20日付
東北大:「復興寄与」など目指す 里見学長がビジョン
東北大の里見進学長はこのほど、大学の将来像を示す「東北大グローバルビジョン」の一部となる「里見ビジョン」を発表し、「国際社会で活躍できる人材の創出」「東日本大震災からの復興に寄与する」「イノベーションの創出」などを目指すとした。
具体策としては、2012年度に120人だった学生対象の海外派遣プログラムを拡充し、17年度には500人、将来的には希望者全員が海外経験をできるようにする。また、優れた研究者が集まる「研究ハブ」として世界に飛躍するため、14年度中に3億円かけてサロン機能を持つ「知の館」を設置し、常にノーベル賞クラスの研究者が何人も滞在していることを目指す。今年10月には、ノーベル賞受賞者を招待したパイロットプログラムの開催を予定している。
さらに里見学長は、宇宙誕生の謎に迫る超大型加速器「国際リニアコライダー」誘致について、「(九州大がヒッグス粒子の研究を始めたのは数年前で)東北大のほうが裾野が広く、進んでいる」と研究面での優位性を強調した。【山越峰一郎】