立命館学園一時金裁判の和解成立に当たって ≪声明≫ 2013年5月31日 「立命館学園一時金訴訟をすすめる会」世話人会

立命館学園一時金裁判の和解成立に当たって ≪声明≫ 2013年5月31日

「立命館学園一時金訴訟をすすめる会」世話人会

〔一〕 私たちが2007年11月に提訴した「立命館学園一時金訴訟」は、京都地裁における一審勝利判決の後、立命館法人側が控訴し、2012年9月以降、大阪 高裁において和解協議が行われてきたが、5月31日、8回目の協議において以下の解決金に基づく和解が成立した。これまでの協議で確認された事項を含め、 和解金の総額は概ね以下のような内容である。

(1)和解金額は1億2540万円である。これは当初訴額の約39%、一審判決の約55%に当たる。また現職教職員の一時金上乗せ分(710万円)を加えた額、1億3250万円は訴額の約43%、一審判決の約58%になる。

(2)法人側は、今回の和解に当たって、学園のすべての現職教職員に対し13年度一時金に一律一定額を上乗せするとしている。この現職教職員全員への一時金増額を含めると、法人が今次和解のために支払う金額は、京都地裁判決の水準を超えると推計される。

〔二〕 この和解成立によって、一審の京都地裁判決が金額を除いて確定する。社会的には、法人側は金額を除く一審判決を是認し、それゆえ和解金として1億 3250万円を支払うと理解される。これは私たちにとって勝利和解である。誠実交渉義務違反や「一時金は賃金の一部である」ことなどを認定した一審判決は 学園における今後の労使交渉の規範とされなければならない。また私たちの勝利和解は賃金。一時金問題で係争中の全国の大学などに一定の影響を及ぼすことに もなろう。

〔三〕 そもそも私たちの訴えの趣旨は、05年乃至07年の一時金1か月カットが不当であり、数々の不当労働行為、誠実交渉義務違反が存在したことを認めさせる とともに、業務協議会を中心とした正常な労使交渉と労使の信頼回復、ならびに理事長・総長による専断的な大学運営を改め、立命館の民主的な制度、運営を回 復することであった。

 このうち、私たちは裁判闘争においては勝利和解を勝ち取ることができた。また教職員組合の奮闘や関係者の努力によって、業務協議会を中心とした労使交渉 も一定の前進を見せている。しかし労使の信頼回復は未だ道半ばであり、理事長・総長による専断的な運営の改革や民主主義の回復に至っては前途遼遠と言わぎ るを得ず、現状を憂慮する人々との厳しいつばぜり合いが展開されている。

 とりわけ学園は今、茨木校地への移転と展開に関して財政破たんの危機を手んだまま重大な決定を行おうとしている。多くの教職員が不安や疑間を感じてお り、全学の教授会からも批判的な意見書が多数表明されている。私たちはこれまで確かに「訴訟」という単一の課題で結束して運動を進めてきたが、和解が成立 すれば「後のことは我関せず」という態度で済ますわけにいかないことは明らかである。訴訟のたたかいを担ってきた者として、運動の成果を学園における民主 的なガバナンスの構築にどう結び付けるのか、そのことを考え、行動する必要があると思われる。

〔四〕 私たちの5年6カ月に及ぶ裁判闘争を終始支えてくれた弁護団、立命館教職員組合連合、京滋及び日本私大教連、立命館の民主主義を考える会、地裁の証人調 べに立たれた佐々木嬉代三氏、松宮孝明氏、これまで応援していただいたすべての人たちに感謝したい。また、原告として一致団結してたたかってきた205名 の皆さんに敬意と誇りを覚える。最後までともに歩んでいただいた「立命館学園一時金訴訟をすすめる会」の皆さんの努力と世話人会に対する信頼に感謝した い。

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