生活保護費、「大学進学」の貯金容認 厚労省が通知へ『日本経済新聞』2013年5月13日付

『日本経済新聞』2013年5月13日付

生活保護費、「大学進学」の貯金容認 厚労省が通知へ

 厚生労働省は生活保護受給者が子供の大学進学のために保護費を貯金することを認める方針だ。近く全国の自治体に通知する。現在は明確な決まりがなく、自治体によって容認するかどうかばらつきがあった。保護費の貯金は高額な生活必需品を購入する場合などを除き制限されてきたが、受給世帯の子供が経済的に自立できるように後押しすることにした。

 厚労省によると、生活保護世帯の世帯主のうち4分の1が過去の出身世帯でも生活保護を受けていた。「貧困の連鎖」を断ち切るためには教育が重要とみて、確実に就職や資格取得につながる場合は貯金を認める。ぜいたく品などへの流用を防ぐため、事前に自治体の福祉事務所の職員が子供や保護者と面会する。

 保護費のほか、子供自身が稼いだアルバイト代の貯金も認める。ただし進学後は子供は受給世帯から自立してもらい、保護費の計算外になる。

 政府は8月から生活保護の基準額を3年で6.5%削減する。子供のいる世帯ほど引き下げ幅は大きくなるため、一部で教育への影響を懸念する声があった。たとえば都市部に住む40代夫婦と子2人(小・中学生)の世帯では、2万円減る。

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