『朝日新聞』2013年4月5日付
「あしき癒着構造に」 名雪氏人事
∞ 山大職員組合抗議
山形大学職員組合(品川敦紀執行委員長)は4日、原子力規制庁審議官を2月に更迭された名雪哲夫氏(54)を、文部科学省から重粒子線がん治療施設設置 準備室の教授に迎えたことについて、結城章夫学長に抗議書を提出し、名雪氏を文科省へ早期に復帰させることを求めた。この人事を問題視する学部長もいると いい、同大の評議会でも論議を呼びそうだ。
組合側は、結城学長ら理事による役員会で決定した名雪氏の人事について、新聞報道を通じて知ったといい、二つの側面から問題だとしている。まず、規制す る側の名雪氏が規制される側の日本原子力発電役員に公表前の情報を漏らし更迭されたばかりであり、「山形大学教員選考規程」で定める「人格および識見とも に優れた者」とは言えないと指摘。
さらに、国の2012年度補正予算で重粒子線がん治療施設に関する研究開発費10億円を付けた文科省から名雪氏を受け入れることは「予算獲得のための天下り官僚受け入れと疑われても仕方がない。『あしき癒着構造』と国民の指弾を受ける」と批判している。