これからの大学費用「子の負担も増やす」49%『日本経済新聞』2013年4月1日付

『日本経済新聞』2013年4月1日付

これからの大学費用「子の負担も増やす」49%

週末マネー講座 第9回読者アンケート結果

 安倍晋三首相の要請で賃上げに乗り出す企業も出始めたものの、なお厳しさが続く所得・雇用環境。これからの時代、子どもの大学進学にかかる費用は親(祖父母も含む)と子でどう負担するのが望ましいのでしょうか。3月16日付「大学進学へ最低200万円 学資保険、備えどこまで」と同23日付「奨学金、返せる自信は 就職難や住宅ローンも考慮を」の掲載を受け電子版読者に聞いたところ、「親が大半だが、子の負担も増やす」との回答が49%を占めました。

 「自分が奨学金で大学に行き必死に勉強したので、子どもにも同じ経験をさせようと考えている」「親の稼ぎは減っているのが現実。子に相応の負担を求めるのは仕方がない」などの理由が挙がっています。次いで「親が全額負担する」(39%)とした方からは「子どもの将来に『奨学金貧乏』があってはいけない」「自分はすべて出してもらった。今度は自分が親として負担する番だ」といった意見が出ました。

 大学進学費用の準備や借り入れ手段として、今後活用を最も増やしたい(または増えると考えられる)ものについては「奨学金」が32%と最多。「返済が不要な完全給付型の奨学金が今後ますます求められる」「在学中の成果と返済負担をリンクさせる仕組みが必要だ」など制度の拡充を求める声が目立ちました。次いで「預貯金」が26%、「学資保険」が25%で拮抗しています。

 今回のアンケートには121人の方に回答いただきました。寄せられた主なコメントは以下に紹介しています。「暮らしを磨く 週末マネー講座」では今後も、テーマごとにこうした意識調査を実施していく予定です。生活に密着したおカネに対する皆さんのご意見をお寄せください。

回答者の内訳 回答総数 121 
男性 94%女性 6%

20代 3%
30代 7%
40代 27%
50代 23%
60代 29%
70代 9%
80代以上 0%

小数点以下は四捨五入

子どもの大学進学費用について「親が大半だが、子の負担も増やす」と答えた方のコメント

30代女性
親は学費を支払う財力があったが、私は父親にならい奨学金で大学に進学した。自分で払っているので元を取ろうと必死に勉強した。子どもにも同じように経験させようと考えている。

40代男性
年間で学費150万円、家賃70万円、仕送り100万円は親が、それ以外の生活費は子どもが奨学金でそれぞれ負担している。

50代男性
親が出せるものなら出すが、稼ぎが減っているのが現実。年功序列の時代でもなく、多くの社員はある程度の年齢で給与が頭打ちになったり減ったりする。子に相応の負担を求めるのは仕方がない。

50代男性
大学までの教育資金は親の義務だと思っているが、さらに大学院などに進む場合は奨学金を利用してほしい。

70代男性
米国の大学院にいたころ、級友の過半は期末の長い休暇を利用して働いていた。日本の学生も単なるアルバイトでなく、企業が学生に働いてもらう機会を与えたらどうか。

▼「親が全額負担する」と答えた方のコメント

40代男性
祖父母に孫の教育資金を出させるのはよくないし、子どもの将来に「奨学金貧乏」があってもいけない。親が責任を持つべきだ。

40代男性
自分は親に大学資金をすべて出してもらった。今度は自分が親として負担する番だ。

50代男性
いまは年代層によって富が偏在している。大学に進む世代が今後就職しても、本人の努力で得られる実質手取り金額は低いままだろう。返済による若年層の負担は過去より大きい。

60代男性
大学は学問を学ぶ場であり、親が面倒をみるか子どもが奨学金を使って通うべきだ。学生にアルバイトをさせ学費を捻出させるのは負担が大きすぎ、学問に身が入らず就活に苦しむ結果を招く。

▼「親子でほぼ半々ずつ負担する」と答えた方のコメント

40代男性
高等教育はオプションと考えるべきだ。

▼「子が大半だが、親の負担も増やす」と答えた方のコメント

40代男性
親の見えで高学歴を望むなら親が出資すればいいし、子が自分の意志で学びたいというなら親は援助してやるだけでいい。

▼「子が全額負担する」と答えた方のコメント

60代男性
大学は遊びに行くところではないのだから、働いて賃金などを費用に充てて元を取ればいい。

▼大学進学費用の準備や借り入れ手段として、今後活用を最も増やしたい(または増えると考えられる)のは「奨学金」と答えた方のコメント

40代男性
返済が不要な完全給付型の奨学金が今後ますます求められると思う。北欧諸国のように教育費の将来負担の心配がなくなれば少子化にも歯止めがかかるだろう。

60代男性
在学中に期待するレベルの知識や技能を習得し、それを活用できる企業に就職した場合は返済を免除するなど、成果と負担をリンクさせる仕組みが必要だ。

60代男性
所得水準が低い層も学問を学ぶ権利はある。国として寄付などを募り、奨学金の充実を図るべきだ。

70代男性
借りた奨学金をきちんと返済させる厳重な制度が必要。一方で自衛隊や消防など献身的な勤務に就く場合は免除するといった恩典も与えるべきだ。

▼「預貯金」と答えた方のコメント

40代男性
地道に積み立てるのが正道だと思う。

60代男性
公的年金や個人年金で恵まれていた世代として貯蓄を取り崩しつつ、無税の範囲内で定期的に子どもたちに資金を移し、ローン金利の削減を促している。

60代男性
学資保険では足りないので、やはり預貯金の蓄えが必要。投資信託や金融商品などまったくあてにできない。

▼「学資保険」と答えた方のコメント

40代男性
預貯金と学資保険しかない。金融商品の変動リスクにさらせないお金であり、子どもに過大な返済負担を残すこともできれば避けたい。

40代女性
預貯金に余裕があれば学資保険も利用しなくていいのだろうが……。

60代男性
なるべく早めに資金計画を考えないと間に合わない。

▼「教育ローン」と答えた方のコメント

40代男性
借り入れは増やしたくないが、ローンしかないだろう。

▼「投資信託」と答えた方のコメント

40代男性
子どもが生まれてから、学資保険や定期預金で準備してきた。今後は将来の自分のためも含めて、投資信託をはじめとする金融商品での運用を検討しなければならない。

▼「その他金融商品」と答えた方のコメント

40代男性
学資保険を利用していたが、ローリスク・ローリターンすぎた。

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