道教大、小学教員向け英語資格など認定へ『読売新聞』北海道版2013年3月25日付

『読売新聞』北海道版2013年3月25日付

道教大、小学教員向け英語資格など認定へ

 北海道教育大が新年度から、小学校での英語の教科化を前提にした教員向けの独自資格や、教育実習前の試験の開発に着手することが、24日分かった。本間謙二学長が、読売新聞の「学力危機」キャンペーンのインタビューで答えた。本間学長は「教員を送り出す大学として学力問題の重要性を痛感している。教育委員会とも連携し、あらゆる手を尽くしたい」としている。

 道教大は、愛知教育大と東京学芸大、大阪教育大の4大学で成果を共有し、国全体の教員養成にも役立てるプロジェクトを進めている。4大学の頭文字を取ったこの「HATO(ハト)」プロジェクトは、文部科学省の予算も得て、教員向けの英語の独自の認定資格や教育実習前の試験の開発を行う。現在の小学校の英語は教科ではなく、「外国語活動」として高学年の授業に組み入れられている。独自資格は、将来の教科化に対応できる人材育成に先手を打つ狙いがある。

 一方、教育実習には、基本的な知識や意欲に欠ける学生まで学校現場に出て、“実習公害”と呼ばれる弊害も生じている。新しい試験は、こうした弊害を解消するのが目的だ。開発には、医学教育の臨床実習前に行う試験などを参考にする。

 また、教育委員会や現場の教員、保護者らの声を科目作りに生かすため、大学の授業を積極的に公開し、教員養成の核となるカリキュラム開発を進めていく。

 本間学長は「教員養成大学の目的は、優秀な教員を育てることに尽きる。その原点は教科の指導力。学び直しが必要な時代だけに、教育委員会とも連携し、若手からベテランまで、教師の力量を引き上げる努力をしたい」としている。

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