国立大改革加速へ14補助事業を採択 文科省『日本経済新聞』2013年3月2日付

『日本経済新聞』2013年3月2日付

国立大改革加速へ14補助事業を採択 文科省

 文部科学省は1日、国立大学改革を後押しするために新設した補助事業に北海道大や京都大などのプロジェクト14件を選定し、発表した。国際競争力を高めるために地域内での連携を深めたり、大胆な組織改革を通じてグローバル人材を育成したりする取り組みが中心。2012年度で総額138億円を交付し、国立大の改革を加速させる呼び水にする考えだ。

 補助事業が始まった背景には国立大の改革が遅いという政府の不満がある。政府は、先頭に立って改革に取り組む大学に補助金を重点配分することで、競争力を高めるとともに、統廃合や大幅な学部の再編成を促していくとみられる。

 徳島大、鳴門教育大、香川大など四国の国立5校は、面接などで選考するAO(アドミッション・オフィス)入試や教養教育を共同実施し、効率を高める事業に乗り出す。北海道の国立7校も教養教育や入学前の留学生教育を共同実施する。

 組織改革などでは、京都大がグローバル人材の育成を目指して「国際高等教育院」(仮称)を新設。100人規模の外国人教員を新規採用し、教養科目の半分以上を英語で講義するという構想が採択された。九州大も30人規模の外国人教員を採用し、国際社会で活躍できる人材を育てる。

 国際競争力を高めるための大学間連携も採択された。獣医学を強みとする帯広畜産大と北海道大、山口大、鹿児島大の4校は地域の枠を超えて連携し、アジアで初となる欧米水準の獣医学教育の実現を目指す。

 福島大と広島大、長崎大などは、原発事故の経験を生かして環境放射能の影響解明に取り組む先端研究拠点を整備する。筑波大と鹿屋体育大は世界で通用するスポーツ指導者を育てる共同大学院を新設する。

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