大学独自の奨学金 返済必要ない給付型も『東京新聞』2012年12月20日付

『東京新聞』2012年12月20日付

大学独自の奨学金 返済必要ない給付型も 光田 洋子 

 大学受験を控える子どもがいる家庭は、年明けにはすぐ、受験校の絞り込みと出願準備が始まります。受験する大学が決まったら、親も入学案内などに目を通し、初年度納付金だけでなく翌年以降の年間納付金も確認しておくことが大切です。

 学費などに不安があり、奨学金の利用を考えている方は、大学資料で奨学金制度についても見てみましょう。

 日本学生支援機構が実施する「学生生活調査」によれば、大学昼間部で何らかの奨学金を受給している学生は二〇一〇年度に50%を超えました。そのうち80%以上が支援機構の奨学金で、その他の奨学金、または両方の利用者はそれぞれ8%前後にすぎません。しかし、支援機構の奨学金は貸与型のため、卒業後の返還が子どもの負担になることも。

 そこでぜひ、大学独自に実施する返済の必要がない給付型の奨学金も調べてください。リクルートと文部科学省の研究チームが今年六月に行った合同調査では、国公立・私立大学の約八割に独自の給付型奨学金制度があり、私立大学では九割近くが実施しています。

 独自奨学金の導入目的は「成績上位者の支援」が最も多く、受給基準も学力を重視する大学が半数近く。経済状況を重視するのは四分の一、残りが学力と経済状況を同程度に重視と答えています。

 高校の成績や入試の成績上位者は、一年生から給付型奨学金を支給する大学も多く、二年目以降は在学中の成績によって年間数十万円の奨学金を支給する制度が複数あります。

 子どもが給付型奨学金の受給を目指して学業に励めば、子ども自身の将来にも役立ち、卒業後の負担軽減につながります。(マネージャーナリスト)

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