山梨県研修医あっせん…山梨大と支援センター設置へ『読売新聞』山梨版2012年10月25日付

『読売新聞』山梨版2012年10月25日付

山梨県研修医あっせん…山梨大と支援センター設置へ

 県は来年度を目標に「地域医療支援センター」を山梨大と共同で設置し、地域で偏りがある医師数の格差解消を図る方針を固めた。

 センターでは県内の病院ごとに状況を分析して医師不足の深刻度を判断し、研修医をあっせん。キャリア形成の面で地方勤務に不安を抱く研修医のサポートも現役医師が担当する。

 甲府市で24日開かれた県地域保健医療計画の検討会で、県医務課が明らかにした。山梨大医学部は2008年度の入学生から地域枠を設けており、県は、地域枠の学生が初めて卒業して研修医となる14年春に合わせ、センターを受け皿として機能させる方針。

 センターには専従の医師と職員を配置し、支援が必要な病院の分析や、研修医と病院間の調整などに当たる。将来的には研修医以外にも「山梨で地域医療に携わりたい」という医師と病院の橋渡しをする計画もある。

 医師が都市部へ集中する傾向は県内でも強まっており、10年度の人口10万人当たりの医師数を見ると、全国平均219・0人を上回っているのは、265・1人の中北地域のみ。他の3地域はいずれも全国平均を大きく下回っている。

 都市部への集中の背景には、大学を卒業した研修医が04年度から研修先を自由に選べるようになり、症例の多さなどから都市部の病院を選ぶ傾向が強まったことがある。研修医には「地方勤務では先進医療から取り残されてしまう」というキャリア形成への不安があるとされ、センターは研修計画の作成支援などを通して不安解消を図る。

 国は11年度からセンター設置の補助制度を設けており、福島県や京都府など全国20か所でセンターが設置されている。

◇地域枠

 卒業後も一定期間県内で勤務することを条件に、山梨大医学部の推薦入試で導入された。県内高校を卒業した30人と、県外高校卒業の5人の計35人を定員としている。2008年度に入学した1期生は14年3月に卒業する予定。

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