国立大交付金50%停止 公債法案未成立で異例の予算抑制策『中国新聞』2012年8月31日付

『中国新聞』2012年8月31日付

国立大交付金50%停止 公債法案未成立で異例の予算抑制策

 安住淳財務相は31日の閣議後の記者会見で、赤字国債の発行に必要な公債発行特例法案の今国会での成立が絶望的なことを受け、9月以降の2012年度予算執行の抑制策を発表した。国立大学法人と独立行政法人向けの運営費交付金を3カ月ごとに予算の50%を支払い停止し先送りにすることや、庁舎運営費などの行政経費を予算の50%以下に抑制することなどが柱。地方交付税の支払いも一部を当面延期する。 

 政府が本格的な予算の節約に踏み切るのは初めて。財政は異例の事態になる。 

 安住氏は「可能な限り執行を後ろ倒し、財源の枯渇時期を少しでも遅らせる」と説明。地方交付税は9月4日に自治体に配る予定だったが「現実的には延期をさせていただくことになるのではないか」と述べた。 

 予算の抑制は全経費を対象とするが、医療や生活保護などの社会保障費や、治安や安全保障、外交に関わる費用、災害関係費は除く。また、東日本大震災の復興費用も除外する。 

 国立大と独立行政法人の運営費交付金はともに約1・1兆円。交付金が一部停止となれば、国立大などの運営に影響が出ることも予想される。 

 地方交付税は9月に配分予定だった約4兆1千億円のうち、1兆4千億円の支払いを10月以降に先送りする方向で調整している。 

 安住氏は公債発行特例法案に関し、与野党に対して「国民生活を守るためにこの法案だけは成立を図ってほしい。土下座してでもお願いしますという話だ」と述べた。 

 12年度の赤字国債の発行予定額は約38兆3千億円で、一般会計の歳入の約4割を占める。公債法案が成立せず、対策を講じなければ、10月末にも財源が底を突くため、予算の節約に踏み切る。

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