横浜国大、新入生1割に「集団留学」 2015年度から 『読売新聞』神奈川版2012年8月23日付 

『読売新聞』神奈川版2012年8月23日付

横浜国大、新入生1割に「集団留学」 2015年度から

 横浜国立大(横浜市保土ヶ谷区)は2015年度から、新入生の約1割を集団で約半年間、英語圏の大学と、英語で教育するアジアの大学に留学させるプログラム「海外集中キャンプ」を導入する。専門課程や就職活動が始まる前に語学力を養い、国際的な人材を育てるのが狙い。同大によると、全国でも先進的な取り組みだという。

 海外集中キャンプは、4学部の入学定員1662人のうち、7~10%に当たる新入生100~160人程度が対象となる。入試で語学力を重視した選抜を行ったり、合格後に意向を調査したりして募集する予定だ。

 海外集中キャンプに参加する新入生は、5月頃から約1か月間、提携するオーストラリアや英国などの英語圏の大学に語学留学する。その後約4か月間、フィリピンやマレーシアなどの生活費が安く英語で教育を行うアジアの大学で教養科目を履修する。

 留学先で取得した単位は横国大の卒業単位として認められる。留学費用は同大の授業料に含め別途徴収はせず、渡航費や生活費などは自己負担とするという。

 文部科学省によると、海外に留学する日本人留学生数は04年の8万2945人をピークに、09年には5万9923人に減少した。同大でもこれまで提携する海外の大学への短期留学を実施してきたが、進級や就職活動に支障が出るなどの理由で志望する学生は05年度をピークに近年、減少傾向にあるという。

 同大が始める海外集中キャンプについて、一橋大国際教育センターの太田浩教授(比較国際教育学)は「近年、大学教育レベルの上がっているアジア圏に目を向けるのは興味深く、留学単位を幅広く認定するのは国立大として先駆的だ。入学後早期に半年間という長さで留学するのは、きちんと勉強するうえで意味がある」と評価している。

 横浜国大国際課は「大学生になりたてで意欲が高いうちにグローバルな視野を育て、その後に生かせるようにしたい」としている。

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