阪大病院に未来医療開発部…施設使用など有料化『読売新聞』2012年8月11日付

『読売新聞』2012年8月11日付

阪大病院に未来医療開発部…施設使用など有料化

 大阪大病院(大阪府吹田市)は、再生医療などの基礎研究と、医薬品開発などを目的とした臨床試験(治験)を手掛ける「未来医療開発部」を発足させた。臨床試験を行う際の書類作成の手助け、高度な研究施設の使用などを有料化し、“もうける”セクションに育てていきたいとしている。文部科学省によると、大学病院でこうした試みは珍しい。

 阪大病院によると、未来医療開発部は、再生医療やワクチン療法などの先端研究を支援する「未来医療センター」と、企業の依頼を受けて治験を行う「臨床試験部」という院内の2機関を統合し、1日付で設置。看護部や薬剤部と並ぶ「部」へ昇格させた。

 両機関はこれまで、治験計画の作成やデータの解析、高額な維持費がかかる実験施設の運営などを担っていたが、収入は治験を依頼する企業からだけで、“赤字”続き。国の補助金(年間約2億円)や、人件費を病院負担とすることなどで存続してきた。

 未来医療開発部では、製薬企業による臨床試験の計画書作成を支援する場合は54万円、完全滅菌で人の細胞を培養する施設の使用料は1室1日6万円などと、料金を設定。料金は、学外研究者からは企業の半額程度を、これまでは無料だった学内研究者からも同3分の1程度を徴収する。同部長に就任した澤芳樹副院長は「有料化によって、基礎研究から臨床応用までを担う部として自立を図り、組織を発展させたい」としている。

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