共同大学院設置 横浜国大、無断で申請『東京新聞』2012年7月28日付

『東京新聞』2012年7月28日付

共同大学院設置 横浜国大、無断で申請

 横浜国立大学(横浜市保土ケ谷区)が、横浜市立大学(横浜市金沢区)の了解を得ないまま、文部科学省の補助金事業への申請書類に横浜市大と共同で大学院を設置すると記載し、市大側から抗議を受けていたことが二十七日、分かった。

 両大学関係者によると、補助金事業は「博士課程教育リーディングプログラム」。横浜国大工学部の教授が、横浜市大の医学分野と連携し、共同の大学院設置(二〇一五年度予定)を柱とした学長名の申請書を提出していた。実現可能性などを審査し採択されると、最大七年間で約三十億円超が支給される。

 横浜市大の石田英昭・学務教務課長は「申請書では、あたかも共同で設置するような内容になっているが、市立大学として、大学院設置を決定したことはない」と話し、横浜国大に抗議したという。

 横浜国大広報・渉外室の大沢俊正室長は「横浜国大を主体に、独立系の大学院をつくるつもりだった。市大との連携は、外せないという意味だ。誤解を招いたのであれば、申し訳ない」と釈明し、既に横浜市大に謝罪したという。一方で「申請を取り下げる考えはない」としている。

 文科省大学振興課の担当者は「両大学の大学院の設置が宙に浮いているのであれば、好ましくない。虚偽とは言わないが、取り下げてもらわないと、いけないかもしれない」と話している。

<博士課程教育リーディングプログラム> 産学官でリーダーとして活躍できる学生を養成するため、大学院の充実を支援する事業で、2011年度にスタート。支援は「オールラウンドリーダー」「複合領域リーダー」「オンリーワン」の3分野に分かれ、採択されると、初年度は上限として3億円、次年度以降は倍額される。12年度は、70大学124件の提案があり、日本学術振興会が審査し9月末までに、予算額116億円の範囲で、採択される。

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