法科大学院中心の法曹養成 現行制度に疑問58% 県弁護士会『信濃毎日新聞』2012年7月12日付

『信濃毎日新聞』2012年7月12日付

法科大学院中心の法曹養成 現行制度に疑問58% 県弁護士会

 県弁護士会は11日、県内弁護士を対象に実施した法曹(裁判官、検察官、弁護士)の養成制度などに関するアンケートをまとめた。法科大学院を中心とした現行制度では多様で質の高い法曹養成は達成できない―と考える弁護士が回答者の過半数を占めた。

 アンケートは、同会司法制度調査会が5月に県内の全弁護士(201人)を対象に行い、73人(36・3%)から回答を得た。現在の養成制度で多様で質の高い法曹養成が達成できていると「思わない」と答えたのは58・9%で、「思う」の5・5%を大きく上回った。

 同調査会委員長の小林正弁護士(長野市)によると、「法科大学院の導入で人材が均一化した」「経済的余裕がなければ法曹になれない」などの意見があったという。一方、適切な法曹養成制度については「現行制度を基本に修正を図る」が23・4%、「旧司法試験制度を基本としつつ修正を図る」が16・9%などと意見が割れた。

 また、現在全国に3万2千人余いる弁護士の適正と思う数を問う質問では「3万人」が35・6%、「4万人」が15・1%、「2万人」が12・3%などとなった。

 小林弁護士は「養成制度を軌道修正しないと、弁護士の質が低下する恐れがある」とし、県弁護士会の総会や市民集会などを通じ、問題意識を広げたいとしている。

Proudly powered by WordPress   Premium Style Theme by www.gopiplus.com