財務省の消費税増税PR 43大学で押しかけ講義 でたらめテキスト 学生税負担なし!?『しんぶん赤旗』2012年6月12日付

『しんぶん赤旗』2012年6月12日付

財務省の消費税増税PR 43大学で押しかけ講義  でたらめテキスト 学生税負担なし!?

宮本議員追及

 政府がねらう消費税大増税に国民的反対世論が広がるなかで、財務省が幹部職員を全国の大学に派遣している世論工作の「押しかけ講義」が43大学に のぼっていることが11日、明らかになりました。日本共産党の宮本岳志議員が衆院社会保障・税特別委員会で追及し、政府が認めました。

 問題の講義は、財務省が「社会保障と税の一体改革」の「大学での説明会」として今春から行っているもの。大臣官房参事官、主税局調査課長などの幹 部職員を講師として派遣し、大学の正規の講義時間を使い、国会で決まってもいない消費税増税の必要性を一方的に宣伝しています。

 宮本議員は、財務省はこれまでいくつの大学で「説明会」を行ったのか、その大学名も含め明らかにするよう求めました。

 安住淳財務相は5月末の時点で43大学で行ったことを初めて明らかにしました。大学名については「公表できるところは公表している」としか答弁しませんでした。

 宮本議員は、お茶の水女子大学、和歌山大学などの例をあげ、正規の講義時間を削って財務省の講義にあてていることを批判。安住財務相は「何が悪いのか不思議だ。学生にとっても役に立つ」「財務省と大学の合意でやっている」と開き直りました。

 これに対し、宮本氏が「合意というが大学から講師派遣の要請は1件でもあったか」とただすと、安住財務相は1件もなかったことを認めました。

 宮本氏は「まさに『押しかけ』だ。予算を握っている財務省からいわれたら、大学はなかなか断れない。正規の講義で広報活動を行うこと自体暴挙だ」とのべました。

 宮本氏は、この講義のテキストに使われている財務省作成のパンフレットに、学生は消費税を負担しておらず、消費税増税分が学生層に手厚く給付され るかのような事実に反する記述があることをあげ「押しかけ講義もでたらめ、テキストもでたらめ。『一体改革』は、学生たちにとって消費税の負担増しかな い」と厳しく批判しました。

大学関係者「政府答弁は思考停止」

“世論工作”怒り広がる

 「大学に強制などしたならば、憲法に保障された学問の自由や大学の自治にかかわる大問題だ」―日本共産党の宮本岳志議員が11日、衆院社会保障・税特別委員会で追及した財務省の大学への「消費税増税PR 押しかけ講義」に、怒りが広がっています。

 岡田克也副総理は今月2日に東京都八王子市の中央大学での対話集会の感想で「若い世代は、必ずしもこの一体改革や消費税の引き上げに賛成しない、その声が平均よりも多い」(自身のブログで)とのべています。

 こうした内閣の意をくんで財務省が直接世論工作に乗り出し、大学での学生への働きかけを全国的に展開してきたのです。

 ある国立大学関係者は、「43大学とは驚いた。財務省はその何倍も働きかけているはずだ」といいます。

 別の国立大学の関係者は、「政府の答弁は問題がどこにあるかまったくわかっていない思考停止だ」とのべ、「宮本議員の質問は、大学を政府の広報機関として利用したという事の真相を掘り下げたものだった」と語りました。

 

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