留学1000人に年100万円…民間寄付で基金『読売新聞』2012年6月3日付

『読売新聞』2012年6月3日付

留学1000人に年100万円…民間寄付で基金

 大学生の海外留学を促進するため、文部科学省の働きかけで奨学基金を設立する計画があることが分かった。

 大手企業などから200億円を集め、年間1000人を送り出す考えだ。同省によると、国が民間資金による留学目的の奨学金制度を作るのは初めて。

 計画では、年内をめどに留学支援機関を一般社団法人として設立。奨学基金の運営や奨学生の選考を行うほか、海外での就業体験プログラムや大学、現地生活に関する情報提供、帰国後の就職活動への助言なども実施する。名称は「GiFT」とし、最終的には公益法人とする。

 奨学基金は個人や企業の寄付金をもとに設立。1人年間100万円程度の奨学金を原則4~6年間支給することを検討している。既にコンビニエンスストア大手のローソンや個人が寄付、複数の企業が寄付を約束しているという。

 日本人の海外留学は、2004年の8万2945人をピークに減少に転じ、09年には6万人を割り込んだ。政府は2年前に閣議決定した「新成長戦略」に「海外派遣30万人」を明記。今年度予算に留学や短期滞在の奨学金として31億円を計上、年間約9000人の送り出しを目指している。

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