大学医学部新設を 東北市長会が特別決議 国に要望へ『河北新報』2012年5月18日付

『河北新報』2012年5月18日付

大学医学部新設を 東北市長会が特別決議 国に要望へ

 東北75市でつくる東北市長会(会長・奥山恵美子仙台市長)は17日、仙台市青葉区のホテルで総会を開き、地域医療の充実に向けた大学医学部の新設に関する特別決議を全会一致で承認した。6月開催予定の全国市長会総会に合わせ、関係省庁に要望活動を行う。

 特別決議は、東日本大震災で沿岸の医療機関や医療従事者が被災し、地域医療は崩壊の危機にあると強調。「早急に医師の偏在の解消を図るとともに、医学部を新設して地域に根差した医師を養成するなど、抜本的な対策を講じることが必要」と求めた。

 原案を審議した4月の宮城県市長会の定例会議で、一部市長が「国は医学部の定員を増やしており、医師が適正に配置されていないことが問題だ」と指摘したことを受け、医師偏在解消の重要性も盛り込み、理解を得た。

 提案した亀山紘石巻市長は「医学部新設という手法で東北の医療の改善、充実に向けた大きな一石を投じたい」と語った。奥山仙台市長は「東日本と西日本では医学部が偏在しており、地域医療に携わる医師確保に向け、一つの手段として総意がまとまったのはよかった」と述べた。

 総会には70市長が出席し、国に要望する29議案を承認した。特別決議はほかに(1)震災からの早期の復旧・復興(2)東京電力福島第1原発事故の早期解決(3)国出先機関の存続(4)環太平洋連携協定(TPP)参加への慎重な対応-など。

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