『中国新聞』2012年4月25日付
医師配置で広大が専任副学長
広島大(東広島市)は中山間地域や島しょ部の医師不足を解消するため、地域医療を担当する専任の副学長を新たに置いた。自治体や病院からの医師派遣要望を受け付ける窓口となり、広島県などと連携して都市部に集中しがちな医師の適正配置を目指す。
1日付で就任した医歯薬保健学研究院教授の平川勝洋副学長が担当。派遣要望を受けて必要な医師の専門分野を地域ごとに分析、県と協議して配置を調整する。
同大は2009年度入学から医学部医学科の推薦入試「ふるさと枠」を導入しており、該当する学生が卒業後に勤務する地域の参考にもするという。
広島県は1月、医師免許取得や臨床研修を終えた同大大学院生を対象に、中山間地域の公的医療機関で非常勤医師として働くと奨励金を支給する制度を新設した。同大は2月、県や県医師会など5団体と地域医療を担う医師の確保で協力する協定を結んでいる。
浅原利正学長は24日の会見で「広島県は無医地区が全国で2番目に多い。県内唯一の医師育成機関として地域医療を支えていきたい」と話した。