大学はリストラ、高専は増設を 国家戦略会議『日本経済新聞』2012年4月9日付

『日本経済新聞』2012年4月9日付

大学はリストラ、高専は増設を 国家戦略会議

 政府は9日、国家戦略会議(議長・野田佳彦首相)を開き、次世代を担う人材の育成策について議論した。産業界が求める人材と教育機関が育 成する人材のミスマッチを解消するため、民間議員が教育システムの抜本改革を提言し、大学の統廃合や高等専門学校の増設を求めた。ただ大学のリストラには 教育界の反発が予想され、改革は難航する可能性が高い。

 民間議員は「東大の9月入学導入を機に、教育システムの転換を図るべきだ」と指摘。統廃合を含む大学改革の推進に加え、小学校・中学校・高校の「6・3・3制」のあり方も見直し、小中・中高が連携した一体教育の充実を求めた。

 大学改革では、国立大学法人の運営費交付金や私立大学の私学助成の配分を見直す。私学助成は学生数や教職員数に応じて配分が決まるが、今後 はグローバル化や地域貢献度を基準にメリハリをつけることを提言。今年度中に新基準を作るように求めた。一方で、成長産業の人材を育てるために高専の拡充 を訴えた。今年春の高専卒の就職内定率(2月1日現在)は98%と高いためだ。首相は平野博文文部科学相に5月に対応策を報告するように指示した。

 会議では、生活保護を受ける人の自立支援策も検討。小宮山洋子厚生労働相が、働いて得た収入の一部を積み立てて、保護から脱却した時に受け取れる「就労収入積立制度」の導入を表明した。

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