中部7大学、先端医療開発で協定『中日新聞』2012年4月6日付

『中日新聞』2012年4月6日付

中部7大学、先端医療開発で協定 

 中部地方で病院を持つ7大学が先端医療の開発で連携する「中部先端医療開発円環コンソーシアム」が6日、発足した。基礎研究の成果を、医薬品や医療機器の開発・産業化にすばやく結びつける。欧米先進国に大幅に後れをとる現状の打破を目指す。

 愛知医科、金沢、岐阜、名古屋、名古屋市立、藤田保健衛生、三重の7大学の病院長らが6日、名古屋大で協定書に調印した。名大によると、複数の大学が協定を結んで先端医療開発に取り組むのは全国で初めて。

 プロジェクトごとに参加大学を募り、各病院にある最先端研究設備や情報を共有する。開発、臨床研究、治験、実用化までの過程を共同で推進する。がんや再生医療、免疫療法など16件が決まっており、5月上旬ごろから着手する。

 先端医療開発をめぐっては、日本中の大学病院で基礎研究をしているが、それぞれが限られた施設と予算で取り組んでおり、投資効果や研究の効率が悪い。

 研究や医療の水準は高いにもかかわらず新薬の開発品目数は年々減少。手術支援ロボットなど最新医療機器はほとんど外国製で、医薬品と医療機器は圧倒的な輸入超過となっている。

 理事長に就任した名大病院の松尾清一院長は「近畿や東北など地域ごとに同様の組織が今後設立され、それぞれが連携できれば日本中の基礎研究の成果を吸い上げられる。世界に後れをとっている現状を中部地区から突破したい」と話した。

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