脇口高知大新学長に聞く 海洋系学科つくりたい 真の学内融和が課題 『高知新聞』2012年4月4日付

『高知新聞』2012年4月4日付

脇口高知大新学長に聞く 海洋系学科つくりたい 真の学内融和が課題 

 高知大の新学長に4月1日付で就任した脇口宏氏(65)=前医学部長。少子化

が進む中、どう個性ある大学をつくろうとしているのか、抱負を聞いた。(聞き

手=社会部・宮崎順一)

 -新学長として取り組みたいことは。

 相良(祐輔)前学長の路線を引き継ぎ、大学の目玉や個性をつくる改革を進め

る。「高知大ではユニークな教育が受けられ、研究ができる」と社会に認識され

なければ、少子化が進む中、高知大を残したいという人は高知県にもいなくなる。

前学長も言っていたが、「地方の大学」ではなく、「地域の大学」として、県の

発展をベースに国、世界に貢献する大学にしていく。

 -高知大らしい研究とは、例えば?

 若手教員を(授業を担当させずに)研究に専念させる「イノベーティブマリン

テクノロジー」というプロジェクトを進めている。内容は微生物など「黒潮の恵

み」の研究。彼らが一人前の研究者になれば、例えば、高知の特長を生かせる海

に関連した学科をつくりたい。海洋深層水などの研究を「健康な体をつくること」

に生かすことを考えている。(県の目指す)「健康長寿日本一」にもつながるの

ではないかと期待している。

 -運営面では、法人化、それに続く国の運営費交付金削減など厳しさもある。

 正直、ほんとに厳しい。でも、法人化によって、大学が自分の考えで(国や団

体など外部の)競争的資金を取ってきたりプロジェクトを組んだりして、維持発

展できる。マリンプロジェクトなどはいい例。法人化をチャンスとし、とにかく

食い付いていかないといけない。大学として(生き残りへ)正念場。

 -大学には研究だけでなく、人材育成の役割がある。

 高知県、四国でリーダー的な存在になる人を育てたい。世の中の問題点を自分

で探して解決し、新たな方向付けができる人を育てることが大事。講義でただ教

えるだけでなく、学生が考え、討論するカリキュラムにも取り組んでいる。

 -2代続けて医学部出身の学長。旧高知大と旧高知医大との融合具合は?

 互いの理解はまだまだ。植物や人の健康の研究で農学と医学が連携するなどの

共同研究が深まれば、融和は進む。真の融和を一日も早く実現する。それが学長

の大きな役割の一つと思う。

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