しまねのひと:新年度から島根大学長に就任、小林祥泰さん『毎日新聞』島根版2012年3月18日付

『毎日新聞』島根版2012年3月18日付

しまねのひと:新年度から島根大学長に就任、小林祥泰さん

◇小林祥泰さん(65)

 県内唯一の国立大である島根大(本部・松江市西川津町)の学長に来月1日付けで就任する。世界的な視野と地域での取り組みが相互に作用する「グローカル」がキャッチフレーズ。「グローバル(世界的)な考え方やものの見方を身につけつつ、ローカル(地域)の発展に寄与できる人材を数多く育てていきたい」と意気込む。

 300年続く医師の家系で育った。慶応大医学部卒業後、開設されたばかりの北里大病院で経験を積んだ。その後、故郷・出雲市にある島根医大(現・島根大医学部)付属病院で開設直後の80年から勤務する。「新設の大学病院に2カ所勤めた経歴を持つ医師も少ないだろう。新しい病院だからこそ、新しいことにも挑戦できた」と語る。そのキャリアからか、同病院長に就任した05年以降、地域医療を担う人材の育成など斬新なアイデアを次々実現してきた。

 国立大は04年の法人化以降、大学間競争にさらされるが、「地方大学が『ミニ東大』を目指していた時代とは違う」と強調。「例えば地域の中小企業で学生が社会体験をするのもいい」と語る。現場でもまれつつ、地域のニーズを研究に生かせるような「タフな人間」を育てたいという。

 「島根大はどんな大学?」という問いには、「出雲の古い文化を守りはぐくみ、そして生かしていく場所でありたい」。教職員と学生ら合わせて約8000人が集う「島大」の新たな舵(かじ)取り役として、その手腕に注目が集まる。【曽根田和久】

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■人物略歴

 1946年11月生まれ。出雲市出身。医師としての専門は神経内科。日本脳卒中学会理事や日本老年医学会理事、米国内科学会日本支部長を務めている。

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