教員養成の修士レベル化を 中教審作業グループが提言『日本経済新聞』2012年3月17日付

『日本経済新聞』2012年3月17日付

教員養成の修士レベル化を 中教審作業グループが提言

 教員養成や研修の見直しを検討してきた中央教育審議会特別部会の作業グループは16日、現在は大学4年間で教職課程を履修すれば取得できる教員免許を大学院修了レベルの資格にするよう求める提言をまとめた。ただ制度化の時期のめどは示さず、受け皿となる教職大学院を全都道府県に設置するよう求めた。特別部会が4月に審議を再開し、夏をめどに文部科学大臣に答申する。

 昨年1月に特別部会がまとめた審議経過報告を踏襲。教員免許を学部4年で取得できる「基礎免許状」、大学院で1~2年程度の修士レベル課程を終えた教員に与える「一般免許状」、学校経営など特定分野で高い専門性を身に付けた教員に与える「専門免許状」の3段階にする。

 教員養成の修士レベル化を進めるため、受け皿として教職大学院の活用を提唱。現在は20都道府県にしかない同大学院を残りの府県にも設置するよう求めた。国立大大学院の教育学研究科などを教職大学院に衣替えする案を示した。

 一方、教員免許更新制の見直しや複数の学校種をまとめた免許状の創設、教員資格の国家試験化などは今後の検討課題として先送りした。免許の3段階化などは法改正が必要だが、実現には課題が多く、曲折が予想されている。

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