『日本経済新聞』2012年2月29日付
国家公務員給与削減、国立大にも削減要求
2012~13年度の国家公務員給与を10年度比で平均7.8%引き下げることを盛り込んだ特例法案が29日に成立する見通しになった。政府はこれに合わせ、独立行政法人や国立大学にも給与引き下げを求める方針。さらに地方公務員や公立小中学校の教職員の人件費に充てる国の支出も削減に向けて調整に入る。
実現すれば国家公務員の分も含め、1兆円超の財源が捻出できる。ただ地方公務員や教職員の給与削減には反発も強く、調整は難航しそうだ。
独法には12年度予算案で一般会計と特別会計を合わせ、国が1兆4713億円の運営費交付金を支出している。国立大学にも1兆1366億円を支払っている。このうち人件費に見合う分を対象に、国家公務員に準じた給与引き下げを求める。
独法や国立大学の給与の引き下げ要請は、国から補助金が出ている部分だけを対象にする。国立大の場合、授業料などの収入から支払っている給料部分は、削減の対象にしない考え。特殊法人もあわせ、合計で年400億~500億円の財源をつくる方針だ。
所管官庁や関係閣僚が給与削減を求め、各法人や大学が労使交渉を経て、削減を正式に決める。補助金の削減で生まれる新たな財源は、12年度中の補正予算で復興財源として使う案が有力だ。
残る焦点は地方公務員の給与だ。実現すれば、地方交付税のうち給与にあてる分から、最大6000億円の削減になる。さらに公立小中学校の教職員については、義務教育費の国庫負担金を1000億円弱減らせる。
ただ政府・与党内では慎重意見が強い。29日に成立見込みの法案の付則には、地方公務員の給与について「自主的かつ適切な対応」を自治体に求めている。財務省は「事実上の自治体への要請だ」として給与引き下げの調整を加速する構えだ。だが総務省は「地方交付税を削減して、給与引き下げを促すつもりはない」(川端達夫総務相)と話す。