国家公務員:給与7.8%減決定 3党合意、13年度まで 5880億円、復興財源に 『毎日新聞』2012年2月18日付

『毎日新聞』2012年2月18日付

国家公務員:給与7.8%減決定 3党合意、13年度まで 5880億円、復興財源に 

 民主、自民、公明の3党の政調会長は17日、国家公務員給与の削減を巡り国会内で会談し、平均0・23%の引き下げを政府に求めた11年度人事院勧告(人勧)を実施した上で、12、13年度は人勧実施分を含め平均7・8%引き下げることで正式に合意した。3党は同日夕の国対委員長会談で、自公両党が昨年の臨時国会に提出した法案を合意に基づき修正した上で、月内に成立させることで合意した。削減で捻出される約5880億円は、東日本大震災の復興財源にあてられる。 

 合意文書は、自公両党が求めていた地方公務員への波及について「国会審議を通じ合意を得る」との表現にとどめた。付帯決議を採択する方向だ。連合が特例法案とのセットで成立を求めている、国家公務員に労使交渉を認める国家公務員制度改革関連4法案については「審議入りと合意形成に向けての環境整備を図る」ことで合意した。 

 民主党政権は昨年6月、東日本大震災からの復興財源に充てるため、国家公務員の給与を平均7・8%引き下げる特例法案を国会に提出した。人事院は9月、平均0・23%の引き下げを政府に勧告したが、政府は10月、今年度の人勧実施見送りを閣議決定。自公両党や人事院は「人勧見送りは憲法違反だ」などと反発していた。 

 民主党は1月、人勧実施を受け入れた上で、8%超の給与削減を行うことで自公両党と合意したが、人勧の実施を3月からとする民主党に対し、自公両党は昨年4月にさかのぼって引き下げることを求め、協議はさらに難航。政調会長レベルでの調整が続いていたが、民主党が譲歩し、自公案を「丸のみ」する形で決着した。ただ、連合側との調整も難航したため、削減幅も8%超から、人勧実施分を含め7・8%へと圧縮を余儀なくされた。 

 国家公務員の給与削減は、政府が17日に閣議決定した税と社会保障の一体改革素案に盛り込まれている。政府・民主党としては、消費増税に国民の理解を求めるには、給与引き下げ法案の成立は待ったなしの状況だった。 

 3党合意により、給与引き下げは実現の見通しが立ったものの、公務員に労働基本権を付与する関連4法案については、野党が否定的な姿勢を崩していないため、今国会での成立は予断を許さない。連合は、あくまで労働基本権の付与とセットで成立させることを強く求めており、政権にとって火種となる可能性も否定できない。【光田宗義、大場伸也】

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