研究センター設置へ 岩手大が来年度  「平泉学」の拠点に 『岩手日日新聞』2012年2月6日付

『岩手日日新聞』2012年2月6日付

研究センター設置へ 岩手大が来年度  「平泉学」の拠点に

 「平泉の文化遺産」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産登録されたことを受けて、岩手大(藤井克己学長)は2012年度に「平泉学」の研究に本腰を入れる。来年度中に平泉に関する総合的研究の拠点形成として、平泉学研究センターを設置。東アジアからの視点などを取り入れながら、他大学と連携して平泉学の構築を目指していく。

 同大では、「平泉」は世界遺産として登録されたものの、平泉研究については個別学問分野の枠にとどまっていることや、組織的・体系的・継続的な研究環境、理化学分析が未整備であること、東アジアという国際的視点からの研究が未成熟であることを課題として挙げる。これを解決することを目指し、「世界遺産・平泉文化の総合的研究の拠点形成」に来年度から取り組むことにした。

 国の来年度予算案で同事業が盛り込まれ、約6000万円が計上された。具体的には研究連携の中核を担う組織として平泉学研究センターを設置。同大としては土壌堆積物などの分析や、輸入陶磁器などの理化学的分析を進める。東アジアとの関係をより深く研究することを狙いに、中国の西北大や山東大、寧波考古研究所との連携を強化。さらに、いわて高等教育コンソーシアムの平泉文化研究会、盛岡大(民俗学)、県立大(宗教史)のほか、県教委や文化庁ともより緊密な連携を図っていく方針。

 研究を進めることで、産学官民を横断した総合的な平泉学の構築だけでなく、東アジアからの視点による平泉研究の進展と国際的意義の解明、教育、社会学、地域振興を包含する地域における平泉の活用の活性化などを目指していく。

 将来的には研究成果として平泉学を講義科目に取り入れることも検討する見通しで、岩渕明副学長は「他大学と連携しながら平泉の研究を進化させる」と語っている。

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