東大秋入学変更 経団連は評価 NHKニュース配信記事 2012年1月18日付

NHKニュース配信記事 2012年1月18日付

東大秋入学変更 経団連は評価

東京大学の学内の委員会は、学部のすべての入学を春から秋に全面的に変更すべきという中間報告をまとめました。5年後の実施を目指して準備を進め、入試の日程は現状のままにする方針です。これについて、経団連は、国際社会に通用する人材の育成にもつながり、前向きに評価できるとしています。

経団連は、企業の間で激しい国際競争を勝ち抜く人材を求める傾向が強くなっていることを受けて、去年、大学や産業界などが連携して国際社会に通用する人材の育成を急ぐべきだという提言をまとめています。このため、経団連では、秋入学が導入された場合、海外からの留学生が増えることで優秀な人材の確保につながることや、入学後や卒業後に生じる期間を利用した海外留学などで国際社会に通用する人材の育成が進むことが期待されるとして、前向きに評価できるとしています。その一方、産業界のなかには、秋入学が増えれば、採用活動を春と秋の2回に増やすなどの対応が必要になって企業の負担が重くなるとして、慎重な対応を求める意見もあります。

東京大学が仮に5年後に秋入学を始めた場合、その対象となるのは今の中学生です。さいたま市見沼区にある私立の中高一貫校の栄東中学・高等学校は、昨年度の東大合格者数が12人で、東大を目指す生徒のために特別クラスを編成するなどしています。中学2年生の男子生徒は、「秋入学については賛成です。受験のときは、いろいろ我慢して勉強しているので、入学までの半年間をチャンスと考えて語学留学などやりたいことをしたい」と話していました。また、中学校の田中淳子校長は、「入学までに時間が空くと受験のストレスから解放されて勉強に対する意欲が下がることも考えられます。大学が予備の授業をするなど、カリキュラムを考えたり、卒業してすぐに就職できるようにしたりするなど環境整備が必要になると思います」と話していました。一方、ことしの受験でこの中学校に合格した子どもの母親は、「急なことで戸惑うが、入学までの期間は勉強以外のことを学べる良いチャンスと思う。賛成か反対かはまだ分からない」と話していました。

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