『日本経済新聞』2012年1月4日付
国立大5校が情報共有ネット 災害時のリスク分散
東日本大震災を受け、東北から九州の国立大学5校が情報ネットワークの構築に乗り出す。大規模災害に伴うサーバーの壊滅などに備え、5大学間でデータを共有し、バックアップ体制を整える。民間企業などでは災害時のリスク分散に向けた対応策が進んでいるが、大学による広域連携は珍しいという。
この5校は山形大、群馬大、徳島大、愛媛大、熊本大。震災の影響を受けた山形大の結城章夫学長が広域連携を呼びかけ、4大学トップらも基本合意した。
大災害や大規模停電などによるサーバー停止やデータの損壊などを想定。教員や学生の人事情報、大学の財務やホームページ関連情報などのデータを多重化する。他大学のサーバーに緊急アクセスすることで情報システムの即時復旧やデータ復元ができる体制づくりを目指す。
今月中にも5大学の情報担当教員らによるワーキンググループを設置。セキュリティー対策やサーバーの容量、運営・管理、コストなど課題を洗い出し、春をメドに具体案をまとめる。早ければ2012年度から広域ネットの構築に着手する。