東工大のイラン人入学拒否は違憲 共同通信配信記事2011年12月19日付

共同通信配信記事2011年12月19日付

東工大のイラン人入学拒否は違憲

 国籍や安全保障上の理由から、イラン人男性(43)の入学を許可しなかった東京工業大の決定が適法かどうかが争われた訴訟の判決で、東京地裁は19日、法の下の平等を保障する憲法と教育の機会均等を定める教育基本法に反すると判断、不許可決定を無効とした。

 男性の代理人弁護士によると、外国人への入学拒否を違憲、違法とした司法判断は極めて異例。

 小林久起裁判長は、男性は日本で難民認定されていて定住性が高く、核兵器開発などの国家活動でイランとの強い結び付きはないと指摘。「東工大は、安全保障上の配慮に当たって重要な判断要素とすべき難民という事実を容易に確認できたのに調査せず、国籍を不当に重視し、不合理な差別をした」と述べた。

 男性は入学の許可も求めていたが、小林裁判長は「難民であることを考慮した上で、大学がさらに調査を尽くして判断するのが相当」と退けた。

 判決によると、2003年に来日し、08年に難民認定を受けた男性は、昨年6月、がんの放射線治療を研究するため東工大原子炉工学研究所に入学願書を提出した。

 大学は、イラン人への核関連分野の教育が行われないよう要請する国連安全保障理事会決議や文部科学省の指導を踏まえ、男性が安全保障上、管理対象となっている技術情報にアクセスする可能性があるとして同年9月、入学を拒んだ。

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