群大の重粒子線治療養成講座 学生を募集『朝日新聞』群馬版2011年12月15日付

『朝日新聞』群馬版2011年12月15日付

群大の重粒子線治療養成講座 学生を募集

 がん治療の新たな選択肢として注目が集まっている重粒子線治療について、様々な分野の専門知識を身につけ、産業を担う人材を育てようと、群馬大学は来年度から博士課程に新たな養成講座を作る。国内外から学生を募集し、産官学が連携して取り組む。

 養成講座は、各分野の専門性を生かし、世界で活躍する人材を育てる文部科学省の「博士課程教育リーディングプログラム」に採択されたものだ。63大学が101件を申請し、13大学21件が採択された。群馬大では今年度は約1億7千万円、来年度以降は上限3億円の補助金が支給される。

 県立がんセンターや筑波大陽子線医学利用研究センター、治療機器の開発に携わる東芝・電力システムなど国内の大学や企業だけでなく、アメリカのマサチューセッツ総合病院や、ドイツの重イオン研究所など12機関と連携する。インターンシップや海外視察などを通して、より実践的な知識や技術を身につけるのが狙いだ。

 定員は4人以上で、学生の給与や状況に応じて年間300万円程度の奨励金が支給される。海外視察などの費用も補助金でまかなわれる。

 重粒子線治療が受けられるのは国内では放射線医学総合研究所(千葉市)、兵庫県立粒子線医療センター(兵庫県たつの市)、群馬大学の3カ所。群馬大では他の2カ所より規模の小さい「普及型」を使っていて、今年度は約200人の患者が利用する予定だ。

 同大大学院医学系研究科長の和泉孝志教授は「ここまで各分野が連携できたのは初めて。優れた人材を育成することで、海外市場への販路も開けるのでは」と期待を込めていた。

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